【LIVE】藤井郷子オーケストラ2010/11/10

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Satoko Fujii Orchestra Tokyo はぐれ雲永松(tb) 古池寿浩(tb) 城谷雄策(tp) 渡辺隆雄(tp) 田村夏樹(tp) 福本佳仁(tp) 高橋保行(tb)

インディペンデントレーベル 2010-01-23
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久かたぶりのジャズ・ライブ。新宿ピットインへ藤井郷子オーケストラを聴きに行く(11月9日)

CDでは耳にしていたものの生ライブを体験するのは初めての藤井オーケストラ。
ジャズ・オーケストラというと、一般的にはビッグバンド・ジャズ=スイング・ジャズというイメージが強いが、現在日本で活躍するジャズ・オーケストラは、世界的に見ても高水準のフリー系オーケストラが、しのぎを削るように活躍している。
藤井郷子オーケストラもその一つで、メンバーを替えながら世界で活躍している。

で、この日のパーソネルは以下の通り。
早坂紗知、泉邦宏(as) 松本健一、木村昌哉(ts) 吉田隆一(bs) 田村夏樹、福本佳仁、渡辺隆雄、城谷雄策(tp) はぐれ雲永松、高橋保行、古池寿浩(tb) 藤井郷子(p) 永田利樹(b) 堀越彰(ds) ゲスト(エリオット・シャープG、臼井康浩G)
ゲストも含めて、錚々たる面々だ。

それで1曲目が始まったのだが、不協和音が多いせいもあって、どこか現代音楽を思わせるオーケストレーション。藤井氏は構築美を追求するタイプなのだろうか、「渋さ知らず」に代表される“爆走&カオス系”とは、趣を異にする端正な音で、ややおとなしめの印象。
かつてICPオーケストラ(82年)やアート・アンサンブル・オブ・シカゴ(84年)、カーラ・ブレイ(84年)を生聴きしてきたワタシとしては、どうも“祝祭感”が足りない…と、感じていこところ、2曲目の早坂氏のサックス・ソロあたりから、ようやく演奏が熱くなる。
3曲目には“干支”をモチーフにしたという新曲を披露。初めに藤井氏の解説があったせいか、干支の動物たちをイメージしながら楽しく聴く。ここで1セット目が終わり、休憩へ。

休憩でアルコールが入ったせいか(?)メンバーもリラックス。2セット目は肩の力の抜けたよりフリーキーな演奏が繰り広げられた。
ゲストの二人のギタリストはもうフツーにギターは弾きたくないのか(笑)、スケール無視のでたらめフレーズに、ボディを擦り、叩き、ボリュームコントロール弄りまくりと、やりたい放題。
まるでギターの“暗黒舞踏”なのだが、一応、他のプレーヤーは“モダンダンス”を演っているのだから、もうちょっと弾いてくれないかなぁ…と思っていたら終盤、二人のギター・バトルが炸裂!

また後半3曲目からは、田村氏が自作曲の指揮を執り、ここで初めて、この楽団がじつはトシコ=タバキンならぬ藤井=田村・双頭オーケストラであることに気づく。藤井氏も指揮を離れ、アクロバティックにピアノを弾く。
管楽器陣が次々と立ち上がり、重厚かつフリーキーな演奏をたたみかけ、このオーケストラの“実力”を存分に発揮し、“祝祭”は終宴した。

改めて、藤井オーケストラ、ひいては日本のフリー系ジャズ・オーケストラの“底力”を感じた一夜だった。

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