【TV】ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図 3~子どもたちを被ばくから守るために~」2011/08/29

ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図 3~子どもたちを被ばくから守るために~」
ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」シリーズの第3弾(8月28日NHK教育)。さすがに3作目ともなれば、新味もなくなり…と思いきや、これまた驚愕の展開に加え、ヒューマン・ドラマとしての妙味も加わり、極上のドキュメンタリーとなった。
これは、本年度ギャラクシー賞(報道部門)の有力候補作だろう。

まずは、福島第一事故直後から放射能汚染マップ作りに取り組む木村真三氏(獨協医科大学准教授)と岡野眞治氏(元理化学研究所)が、今もって汚染マップ作りに専心し、さらに詳細な避難区域に指定されていない地域での調査を続けていることが伝えられる。

なにしろ国や自治体が手をつけていない「汚染マップ」を、“在野”の立場からいまだにコツコツと作り続けていることにまずは驚かされるし、行政や政治家、そして東電の怠慢に改めて怒りが込み上げてくる。

さらに驚かされるのは、“ホットスポット”が点在する二本松市の中でも、最も高い線量を記録した家の家族にまでに調査のメスを入れる。おばあさんから、赤ちゃんを産んだばかりの若い母親まで、家族全員に計測機を付けてもらい、さらに家の周囲や部屋ごとの線量まで詳細に調査。

それによって、家族の生活スタイルや行動、部屋ごとも置かれた環境によって被ばく量が異なることが明らかにされる。このあたりは、ミステリータッチの科学ドキュメンタリーを観るようで、引き込まれる。

それからが凄い。この家族の被ばく線量を抑えるために、木村氏自らが作業着をまとい家の「除染」にあたるのだ。

その結果は…なんと部屋内の線量が1/2に現象したのだ。明らかに家の「除染」が効果があったことが、この「実験」は示していた。

安心した家族の顔。幼子を抱いた母親のホッとした表情が印象的な場面だが、この「実験」はまた大きな問題も提示した。なにしろがその作業量たるやハンバではない。庭の除染(表土のはぎ取り)は市職員9名が5時間がかりで行ない、屋根(瓦・雨どい等)の除染は木村氏ら2名が8時間かけて行った。そして、運び出された土は土のう400袋、4トンにも及んだ。

とても、個人(各家庭)の力ではできるものではないし、行政としてもとてもおいそれと手を出されるようなシロモノではない。なにしろ一軒一軒の被ばくの状況を調査したうえで、その除染法を考え、それを実行に移さなければならないのだ。とほうもない作業量が待っている…。

それに対して、木村氏は単純な被ばく線量ではなく、乳幼児がいる家庭を優先するなど、各家庭の事情に応じた対応が必要だと訴える。
木村・岡村両氏は健康被害を抑えるために、内部被ばくも含めた、さらに詳細な調査が必要だとして、今後も続けていくという。

被ばくの不安に揺れる住人たちの表情だけでなく、「職がないときに塗装の仕事をしてましたから」と笑いながら屋根上で作業するその板についた職人ぶりや、住人やご家族に対する丁寧な説明や対応から、木村氏の人柄と強固な意志が伝わってくる。間違いなくそれが、本作を一級のヒューマン・ドキュメンタリーに押し上げた。

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