【CD】A.I./THE LAST A.I.2011/01/02

THE LAST A.I.THE LAST A.I.
AI K’NAAN 安室奈美恵 Snoop Dogg 加藤ミリヤ AK-69 Judith Hill Boyz II Men Chaka Khan

ユニバーサル・シグマ 2010-12-01
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2011年最初のレビューは、敬愛するA.I. の最新アルバム『THE LAST A.I.』
熊本から現れたこの驚愕のミックス・ブラッド・ソウル・シンガーも、いつの間にかデビュー10周年ということで、本作ではまずその豪華なゲスト陣にまず目を奪われる。

安室奈美恵を迎えて華やかに幕を明ける①「FAKE」を筆頭に、②「Let it go」で米国ラッパーのSnoop Dogg、③「STRONGER」では若手R&Bシンガーの加藤ミリヤ、④「Still」で邦人ラッパーのAK-69、⑤「For my Sister」では『マイケル・ジャクソン This Is It』での歌声も記憶に新しいJudith Hillを迎え入れ、さらに⑥「Incomplete」ではBoyz II Men、⑦「One More Try」とボーナスとラックの⑪「Through The Fire」ではあのChaka Khanと、米ブラック・ミュージック界のスーパースター達と堂々と渡りあう。

単なる話題集めのゲストではなく、彼ら彼女たちと対峙させることで、ますますA.I.の歌唱は冴え、作品に磨きがかかる…。
そうした理想的な音楽ケミストリーを、当然であるかのように提示できるA.I.の実力に、改めて感服する。

もちろん単独での佳曲⑧「Family」、⑨「眠れない街」も、ダイナミックな歌唱でA.I.の世界を十分に堪能できる。

前作 にあったディープ・バープルをネタにした遊び心や、「Story」などの超キラーチューンこそないものの、本作も力の入った充実作。
日本のR&B女性シンガーのなかでも群を抜く存在。日本の“音楽遺産”に成長した世界水準、世界に誇っていい本物のシンガーがここにいる。

◆『THE LAST A.I』の参照レビュー
Japanese Black Style

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【映画】トロン:レガシー2011/01/04

『トロン:レガシー』
『トロン:レガシー』(2010年・監督:ジョセフ・コシンスキー)

前作『トロン』(1982年)から28年。3Dによる続編として制作された話題の本作を、正月ムービーとして鑑賞。

ワタシも前作の『トロン』は観ているが、もはや記憶に残っているのは、ダーク(薄暗い)な映像に蛍光灯が縫い込まれたような衣服をまとった主人公らが、『ドッグヴィル』の舞台を3Dに置き換えたような薄ぼんやりと光る幾何学線に彩られた世界で、これまた薄ぼんやりと光るフリスビー(ディスク)を投げ合って闘うというシーンのみ。

あの明るく、夢みるファンタジー映画をつくってきたディズニーにしては、ずいぶんと暗く、オタッキーな映画をつくるな、というのが当時の印象だった。
それでも前作は、そうしたマイナス・イメージがあげつらわれて酷評されながらも、世界で初めてコンピューター内の闘いを描いた本格CG作品として、カルトムービーとして位置づけられた作品。

その汚名(?)返上とばかりに、ディズニーが総力をあげて(?)制作したのが本作で、スケールアップした映像はたしかに見応えはある。
前作におわされた負のイメージを全て払拭するかのように、ひたすら爽快に映像美を追求し、重厚なイベントムービーとして仕立てられたのが本作だ。

ストーリーは、失踪した父親ケビン・フリン(ジェフ・ブリッジス)がつくりあげたコンピューター世界に紛れ込んだ主人公の青年サム・フリン(ギャレット・ヘドランド)が、父親と共に悪の支配者クルー(ジェフ・ブリッジスの二役)と闘う、というもの。

そもそも前作から20年後という設定の“続編”が成立したのも、前作でも“ケビン・フリン”その人を演じたブリッジスの、役者としての耐用があったからこそ。一方で、あまりの意味のない「トロン」の登場など、前作の設定にやや引きずられた感も…。

それはさておき、すでに前作の『トロン』が忘却の彼方なので判然としないのだが、その世界観やライト・サイクルなどのメカニックなどで前作をオマージュしているというものの、ワタシにはむしろ、随所に綿々と続くSF映画やアニメ、ゲーム作品から影響もしくは模した場面がいくつも目についた。

例えば、サムが失踪した父親ケビンと再会する場面。父親が隠遁する白い部屋での食事シーンまるで、『2001年宇宙の旅』で宇宙の闇へ放り出されたボーマン船長が錯乱した末にたどり着いたラストシーンを彷彿させる。
ライトセーバーならぬ(フライング)ディスクでの対決は、『スター・ウォーズ』でルーカスによって持ち込まれた“武士道”であるし、もちろん父と子の確執と共闘もまた、ギリシャ神話を源とする『スター・ウォーズ』からの拝借だ。

そもそもこの物語は、幾多のSFファンタジーと同様に、“理想”を振りかざす子どもじみた男どもによる“国盗り物語”であり、世代交代を配した若者の成長憚であるのだが。

さらに、クルーの配下たちが砕け散るさまは、『ターミネター2』で液体酸素で凍結した新型が、旧型シュワルツェネガーの銃弾で粉々にされるシーンが思い起こされ、思わず苦笑してしまうのはワタシだけだろうか…。

同じ仮想世界を舞台にしていても、『マトリックス』のそれは仮想空間がプラスティックな人工造形社会で、“汚し”の入ったリアル世界との差異を上手く表現していたかと思うが、本作でのコンピューター・ワールドはどちらもマンガチックで、なんとも陳腐に見えてしまう。

『クレイジー・ハート』では渋い演技でダメ親父を演じていたブリッジスも本作ではどうも勝手が違ったらしく、懸命に「目」で演技をしていたが、その感情の揺れがうまく表現されていたとはいい難い。なにしろラストではそのオスカー名優が、ドラゴンボールになっちまうのだから…(笑)。

それでも、コンピューター世界の造形やメタリックは目を見るものがあるし、ライト・サイクルによるチェイスなども迫力十分だ。
全編3D ではなく、かなりの部分を2D映像で写してしているのも、観客を疲れさせない配慮なのか、かえって英断だと思う。

というわけで、いろいろ難癖つけらどころのあるツッコミどころ満載の映画だが、正月のイベントムービーとしては、それはそれで楽しめる一遍。

◆『トロン:レガシー』の参考レビュー一覧
超映画批評(前田有一氏)
映画通信シネマッシモ
セガール気分で逢いましょう
B級映画好きの憂鬱
映画.com(山口直樹氏)

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【本】謎解きはディナーのあとで2011/01/05

謎解きはディナーのあとで謎解きはディナーのあとで
東川 篤哉

小学館 2010-09-02
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久しぶりにミステリーが読みたくなって、手にした一冊。電車内でもガンガン告知をしていたので、すでにベストセラーになっているのだろう。ワタシが購入したのも4刷。すでに9刷を重ね、累計30万部を売り上げているようだ。

そうした呼称のジャンルがあるのかわからないが、本書をひと言でいえば“ライト・ノベル・ミステリー”。じつに気楽に読めるエンターテイメント推理小説だ。
体裁は本格ミステリーだが、謎解きを楽しむというよりも、あくまでもお楽しみは登場実物のキャラクターと設定で、“事件”はそのための用意された単なるツールにさえ思えてくる…。

キモは何といっても、大財閥「宝生グループ」の“お嬢様”刑事・舞子と、その執事で“謎の男”影山のやりとりだろう。
難事件に頭を悩ます舞子が、執事の影山に事件のあらましを語ると、すぐさま影山が独自の推理で解決をしてしまう…。
いわゆるアームチェア・ディテクティブというやつで、この場面で二人のキャラ立ちまくりのユーモラスな会話がミソ。たいていが、舞子が豪邸に戻って優雅なディナーを食したあとの時間ということで、それが本書のタイトルにもなっている。

“灰色の頭脳”を持つクールな影山が、お約束のように「この程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様はアホでいらしっしゃいますか」「お嬢様の目は節穴ですか?」などと暴言を吐き、舞子がキレるのだが、このやりとりがなんとも楽しい。

可愛げはあるものの鼻持ちならない主人公をギャフンと言わせるこの慇懃無礼な執事のキャラがあってこそ、読者は登場人物たちに感情移入ができるというもの。
本書には、6話の事件が収められているが、いったいどのタイミングでこの執事が、どんな辛辣なセリフを吐くのか、それが毎回のお楽しみになっている。

例えば、お笑い芸人のお約束のセリフに、わかっているのに笑ってしまう心理。それがいったいいつどこで繰り出されるのか、スリリングな心持ちで待ちつつも、それを聞くとどこか安心できる。そのツボに入る感覚が、本書でのこの場面といえよう。

さらにこの二人に、「宝生」に比べたら遥かに格下の「風祭モータース」御曹司という舞子の上司が絡む。つまりこのキャラ立ちまくった黄金のトライアングルだけで本書の物語は展開するといってよく、犯人も含めた他の登場人物はまるで背景のようなもの…。
事件の真相を掘り下げるでもなく、犯人の沈痛な思いを描くでもなく、ただひたすら3人のキャラと(ときに強引な)謎解きを楽しむのが、本書に対する正しい姿勢だろう。
それ以上のことを求める人は、本書の読者には向かない。

それにしても、本書はまず間違いなくテレビドラマ化されるやに違いない。最初からそれを前提として書かれたのではないかと思わせるほど、ライトでコミカル、マンガタッチな作品だ。それもじつにメディアミックスで今風な、気がする。

◆『謎解きはディナーのあとで』の参考レビュー一覧
黒夜行
週刊友蔵
asahi.com(瀧井朝世氏)
AKASHIC NOTE
BIBLIO HOLIC
昼下がりの迷宮~
琉球新報(尾崎英子氏)

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【CD】KIMONOS(キモノズ)2011/01/06

KimonosKimonos
KIMONOS

EMIミュージックジャパン 2010-11-17
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ZAZEN BOYSの向井秀徳とLEO 今井によるユニット「KIMONOS(キモノズ)」のデビューアルバム。そのユニック名をストレートに顕した浮世離れしたジャケットとともに、摩訶不思議な音楽世界を開示している。

そのエロクトロニカなサウンドは一聴して、新世代のニューウェーブ/テクノとも受け取れるし、浮遊感のあるヴォーカルはどこか懐かしくもある。

二拍子がループするミニマムな①「No Modern Animal」で無国籍なサウンドを響かせ、まるで民謡のような呼びかけで始まる②「Haiya」はYMOを彷彿させる土俗的なテクノ、③「Soundtrack To Murder」ではダブ・サウンドに乗せて近未来的なきらびやかさを聴かせる。
パーカシッヴな④「Mogura」では煽動的なヴォーカルも印象的で、テクノ・ポップな「Miss」は高橋幸宏ばりの物憂げなヴォーカルも相まってもろYMOな世界、続く⑤「Sports Men」は教授がロビン・スコットとコラボった『THE ARRANGEMENT』 が思い出され…。

といった具合に、全体のテイストは80年代的なのだが、そこにエロクトロニカやエスニックな風味が加わり、まさにジャケットにあるように着物をまとってテクノを興じるかのような“まがいもの”チックなポップ・ワールドが展開される。
⑧「Almost Human」の如く、HumanだけどそのまんまにしておけないAlmostなサウンドがじつに心地よい。
「Almost Human」のYou Tube動画↓

このユニットが今後どのような世界を創りあげていくか興味は尽きないが、YMOがそれによって世界的な評価を得たように、さらにディープでポップなTOKYOサウンドを期待したい。

◆『KIMONOS』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
熟聴に値する情報量と心地良さ Let the Music Talk
諧謔とエレクトロニックの素晴らしい賜物 ele-king Powerd by DOMMUNE(野田努氏)

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【映画】海外特派員2011/01/07

『海外特派員』
『海外特派員』(1940年・監督:アルフレッド・ヒッチコック)

ヒッチコックは1925年の『快楽の園』から遺作となる76年の『ファミリー・プロット』まで、57本の作品を撮っているが、ワタシが観ているのは主に50~60年代にかけての名作群で、ほかの時期の作品の多くを見逃している。

本作は、イギリスで活躍したヒッチコックがアメリカに渡って、いきなりオスカーに輝いた『レベッカ』(1940年)に続いて制作された作品で、どうやら彼の諸作の中ではB級というレッテルが貼られていたようだ。
それは主役の二人が、他のヒッチコック作品を彩った名優カップルではないことも要因にあるようだが、ところがどうして、ワタシの眼には本作もまたヒッチコック印がきっちりと刻まれた逸品に映る。

物語は、戦争勃発の危機が迫るヨーロッパへ特派員として派遣された新聞記者(ジョエル・マクリー)が、戦争回避のカギを握る老政治家の“暗殺”現場に立ち会い、その陰謀に巻き込まれていくというもの。

冒頭の、摩天楼の俯瞰ショットからビルの窓へとカメラが侵入し、新聞社内を照らし出すという、後の『ウエストサイド・ストーリー』を思わせる洒落た導入からして、まずニヤリとさせされる。
ついで、“特派員”を探す社長が、うってつけの人材を見つけてほくそ笑むシーンなど、もう掴みはOKという感じで、一気に物語に引き込まれる。
平和運動のリーダーの娘(ラレイン・デイ)と恋仲になり、“暗殺”の真相を追ってのカーチェス、風車小屋での息をもつかせぬサスペンス・シーンなど、映画の面白さをすべて詰め込んだ教科書のような展開。

クライマックスは、ドイツ軍の攻撃を受けた旅客機が海に突っ込むシーンだが、機内のパニックから海水が流れ込むまでを、なんとヒッチコックはワンショットで撮り切るというマジックを魅せる。
このシーンをどうやって撮ったのかは、じつはトリュフォーとの『映画術』 の中で詳しく語っているので、興味ある方はぜひ参照されたい。

ほかにもミステリアスな風車のアイデアや、雨傘の中を犯人が駆け抜けていくシーンなど見どころ満載だが、いずれしても幕の内弁当のよう過不足のない仕上がり。
公開から70年も経て、こうした良作を手軽に観ることができるワタシたち映画ファンは、よき時代を生きていることを実感する。

◆『海外特派員』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
映画フェイス 「次から次へとアイデアを詰め込んでいて感心」
瀧野川日録 「大胆な演出であっと言わせるヒッチコック」
懐かしの映画館近松座 「サスペンス映画のエッセンスが詰まった映画」
川越名画座 「レベルの高い作品だがヒッチコック映画として観ると…」
牛のしっぽ 「細部まで、入念に積み上げられた映画」
ラジオ・ヒックコック 「ヒッチコックのルーツを知る事が出来て楽しめる映画」
良い映画を褒める会。「作り方はまさにハリウッドの作品」
POP MASTER 「スピーディーな展開はまさしくアメリカ的。」

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【本】本は、これから2011/01/09

本は、これから (岩波新書)本は、これから (岩波新書)
池澤 夏樹

岩波書店 2010-11-20
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池澤夏樹氏編集による、37人の書き手による「本のこれから」についてのオムニバス・エッセイ集。もろろん、今この時期に「これから」が語られる主な要因は、やはり電子書籍“ブーム”→紙の本がなくなるかも?…への危機感からだろう。
本書が夏樹氏自らの企画なのか判然としないが、本書が「岩波新書」として編まれていることからも、これは岩波書店からの現在の電子書籍狂騒曲への返答、否“問いかけ”と捉えることもできる。

一読して、紙の本への偏愛を語る“ご仁”が少ないことに少しホッとするが、「紙の本と電子のそれとは、厳然と区別される」と断言する出久根達郎氏に、電子書籍によって“消える”だろう「本の山をうっとうしく思う人はもともと本が好きではないご仁だろう」と言われてしまうと、なるほど“本に書かれた”事象が好きなワタシなどは、きっと“本好き”ではないだろうと改めて思い知るが、「電子書籍を発明した者は、本が好きでない者であって、そういう人が喧伝する物が本好きに歓迎されるわけではない」との指摘には、思わずプッと吹き出しそうになる。

それに比して、最もワタシの現在の感覚に近いのは「人後に落ちぬ本フェチ」という上野千鶴子氏で、「いずれ書物は伝統工芸品になるだろう」と言い切る。「(電子書籍の)端末は準備がそろい、あとはそれにどれだけソフトが投入されるかだけ、という段階に入った」という現状認識も正しいし、「検索読み」を「そんなのは本の読み方ではない、といきり立ってもむだである」と、クールに読み手側の変化をも予測する。
さらに、グーグル訴訟での「集団和解離脱への参加を要請されたが、わたしはそれに乗れない自分を感じていた」として、「自分のメッセージを無償の公共財にするか、有償のクラブ財にするか、と『究極の選択』に迫られたら、私は前者をとる」とする。
これは『街場のメディア論』 での「書物は商品ではない」とする内田樹氏の主張ともシンクロするし、ワタシも同意見だ。

「ふしぎなことに、情報とはそれにアクセスする人が増えれば増えるほど価値が高くなる」ことは、クリス・アンダーソンが『フリー』によって見事に解明しているが、それをビジネスとして展開するためには、紀田順一郎(!)氏による「海外市場への進出であることは自明で、この機会に真剣に検討し直すべき課題ではないだろうか」という提言は至極現実的だ。
ワタシなどは、新刊点数の増大が「日本出版界を先細り」させてきた大きな要因の一つだと思っているので、電子書籍化の際の一つの基準のとして、「外語語による同時刊行」という“足かせ”を履かせてもいいのではないか、という暴論をふりかざしたくなる…。

そこに、上野氏が「出版社はなくなっても、編集者というしごとは残るだろう。編集というよりも、もっと広義のプロデューサーとして。」という予見が被さるし、「もしこの時代に自分が学生だったら、出版社に入りたいと思う。だって、今なら何でもできそうだから。絶好調の業界に入っても面白くないでしょう、きっと」というスタジオジブリ代表の鈴木敏夫氏も、逆説的に響く。

ほかにも、外岡秀俊氏がジャーナリストらしい切り口で、現在の「情報革命」を俯瞰する論考など、読みごたえある文章が続くのだが、正直言ってワタシは、途中から本書に飽きてしまった。その旧泰然とした、“本のつくり”に。

書き手から、編集者、装幀家、読者家、書店員、図書館員…といった本に関係するさまざまな人びとに、一文を寄せてもらい一冊にまとめる…。それが、問題把握・提示の手軽で、分かり易い手法なのはよくわかるが、まさに“電子書籍元年”と言われる現在に、こんなことでいいのですか…とひとこと言いたくなる。

例えば、これをすでにデジタル/ネット化が進んでいる音楽ソフトで考えてみる。CDアルバム丸ごとではなく楽曲単位での購入のように、本書の一文一文を興味のある、読みたいものだけダウンロード購入できないものだろうか。
あるいはシャッフル機能を使って、自分の好きなような並び順で読めないものだろうか。あるいは、同テーマで次々と新しい書き手による、新しい一文が追加される…。

そんな妄想を抱いてしまったのは、もはやワタシが両手で本を支え、新書とはいえ片手に余る本の重さを感じながら、もう片方の手でページをめくらなければならないという読書行為から、早く解放されたいという気持ちが働いたからなのかもしれない。

「これからの『本がどうなる』ではなく、『どうする』という意志がなければ、本の世界は何も変わらない」(紀田氏)のだ。

◆『本は、これから』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
「電子だろうが本だろうが、人間は読書を必要とする」--基本読書
「その人にとって本とは何なのか見えてくる」--asahi.com(永江朗氏)
「本を考えるたくさんの寄り道」--毎日jp(小島ゆかり氏)
「消費者にとっては選択の問題でしかない」--この世の全てはこともなし
「デジタル化を推進している現場が触れられていない」--Kiankou books review
「雑誌と本との絡みから見た論説が…」--A Puzzler on the Trail

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【CD】神聖かまってちゃん/つまんね/みんな死ね2011/01/10

つまんねつまんね
神聖かまってちゃん

ワーナーミュージック・ジャパン 2010-12-22
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みんな死ねみんな死ね
神聖かまってちゃん

バウンディ 2010-12-22
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話題騒然のロック・バンド「神聖かまってちゃん」が昨年末にリリースした2枚のアルバム『つまんね』『みんな死ね』を、立て続けに聴く。
前作の『友だちを殺してまで。』 は、試聴すれどもあまりピンとこず手が延びなかったが、この2作は…お~っ、面白い!

『つまんね』からのリードトラック③「美ちなる方へ」はFM局でヘビーローテーションされ、オリコンのデイリーアルバムランキングでは2作同時TOP10内にランクインされるなど、こんなヘンテコ(失礼)なバンドが“売れてる”という事実に驚くとともに、なんだか嬉しくなる…。


だって、パンキッシュなのにポップで、歌詞はシリアスなのにチャーミングでユーモア一杯という、楽しくてスゲぁバンドじゃん!…などと、思わず若者口調になってしまうほど痛快な音の輝きが、この2枚にたっぷり詰まっている。

幼稚園の同級生だという、の子(ボーカル、ギター)、mono(キーボード)、ちばぎん(ベース)に、メンバー募集で参加したみさこ(ドラム)を加えた4人組。その奇行ぶりも話題の、の子のいじめ体験から発せられる生と死に揺らぐ歌世界が、「非リア充」世代の代弁者などと称されているようだが、そんな能書きよりも、とにかくはち切れんばかりのサウンドが痛快。

2chやYou Tube、ニコ動といったネットを自在に活かした活動&プロモや、『つまんね』をメジャーから、『みんな死ね』がインディーズからというリリース・スタイルからして実にパンクでオルタナだ。そして、その2枚の売上がほとんど変わらないという現象も、またいかにも今日的。

一聴してこれはグラム・ロックか!と目眩を覚えそうな『つまんね』は、まるでガレージ・ロックハウスしたフィル・スペクター・サウンドかのような失踪感に溢れている。メロメロののこ子のヴォーカルは悩ましく、みさこの歌もキュートで魅力的。懐かしの「グリッター・ロック」なんてという言葉も思い出され、とにかくシュールなポップでたたみかける。

そして、『つまんね』が原由子を配したサザンオールスターズなら、『みんな死ね』はKUWATA BANDのようなパンクなの子の世界。ギターサウンドをバックに、歌いまくるの子だが、あらら、なんてキュートな歌声なの…とほだされる。
「どんぐりころころ」を歌い込んだ“絶望ソング”⑨「神様それではひどいなり」のノベルティぶりには大笑い。いや、ほかにも魅力的な楽曲満載で、バンドの充実ぶりが伺える2枚、シークレットトラック含む全25曲。

ラジオ出演時には、の子の奇行発言に戸惑っていたクリス・ペプラー氏が「ぶっ壊れた宮崎駿の世界」と絶賛したライブ。2月に予定されている「ももいろクローバー」とのジョイントが、今から楽しみだ。

◆『つまんね』『みんな死ね』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
「合評 神聖かまってちゃん みんな死ね/つまんね」--ele-king(加藤綾一、野田 努、橋元優歩、水越真紀、三田 格各氏)
「『つまんね』と呟きながらも、心が揺さぶられる」--COOKIE SCENE(近藤真弥氏)
「テン年代のリアルを描いた傑作」--ListenJapan(青雪吉木氏)
「情報過多で希望を描けない時代にかまってちゃんが追いついた」--Crab talot
「いよいよもって、独自の世界観を展開してきた」--超進化アンチテーゼ
「ポップでありながら狂気に満ちている」--新しい世界へ・・・

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【コミック】ビューティフルピープル・パーフェクトワールド2011/01/11

ビューティフルピープル・パーフェクトワールド (IKKI COMIX)ビューティフルピープル・パーフェクトワールド (IKKI COMIX)
坂井 恵理

小学館 2010-11-30
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以前、短期間の間に、何人ものさまざまなセクシュアル・マイノリティの人たちと、出会い、話し、一緒に飲んで騒いだことがあった。それはそれで一緒にいるときは楽しいのに、なぜかその後一人になるとドッと疲れている自分に気づいた。

おそらくそれは、彼(彼女)らが「恋人」の話をしたり、「○○が好き」というときに、無意識のうちに頭の中でいちいちそれが男性・女性のどちらなのか確認する作業を行ったり、ふだんはまったく気にもとめない自身のセクシュアル・アイデンティティを否が応でも意識させられるからなのではないかと思い至った。自分は「異性愛者」なのだということを、ことあるごとに確認しなければならない煩わしさ、というか…。

それは、また同時に「同性愛者」たちが日々強いられている煩わしさなのだ、ということを思い知らされることでもあった。
本作を読んで、その時の記憶が甦った…。

舞台設定は「21世紀が残り半分を切った頃」のニッポン。
「芸術も文学も過去の作品のリメイクかパロディばかり」で、人類が“停滞”するなかで、美容整形だけが“進化”し、「どんどん美しくなった」人類ばかりが暮らす世界…。
その「ビューティフルピープル・パーフェクトワールド」を舞台に、4つの物語が展開される。これが、いずれも“痛い”話、ばかりだ。

カオの見分けがつかない同級生のなかに、自分と同じ(身体を)“いじってない”生徒に次第に惹かれていく主人公の“僕”。やがて、彼女の正体を知り、そのファンタジックな身体の秘密も明かされるのだが、その時に“僕”が抑え込んできたセクシュアリティもまた、彼女によって晒されてしまう…。
“僕”は言う。「スカートはキライ。けど--男になりたいわけじゃないんだ」…という1話「思春期」からしてセツナさが全開する。

2話の「パチモン美少女in南国」も、「ひきこもり」だった兄が、アニメキャラの女の子になり、専業主婦を目指すも暗礁に乗り上げ…というドタバタ劇なのだが、「そんなにヌルくねんだよ。女は!」という母親の啖呵や、「見上げるの見下すのしんどい」という主人公(弟)の呻くようなつぶやきから、本作の隠されたテーマが強く立ちあがってくる。

3話「いつまでもコドモのままでイタイの」の児童買春を取り締まる女性刑事が、夫の“初恋”の女性そっくりに整形し、“コドモ”のまま愛される…という設定からしてすでに“痛い”。その“若い”夫も、じつはそれ相応年なのに、だ…。
みな同じようにキレイになった世界で、まっさらに素をさらけだしていた小学生時代の“初恋”に憧れるパーフェクト・ワールドの住人たち…。
ここでは、男子児童のレイプ犯が、オンラインゲームのアバターでは女児として登場するなど、まさしく読み手のセクシャル・アイデンティティを混濁させ、揺さぶるような展開がなされる。

最終話の何度も“再生”する「スーパースター」も、美容整形でどんな人間にもなれるという舞台設定をうまく生かした作者のストーリーテラーぶりが発揮された作品。しかし、登場人物たちのそのしたたかな生きざまに潔さを感じつつも、やはり全体を通奏するのは“痛み”でしかない。

改めて、この“美しい人々による完全なる世界”を、“心までは美しくなれない不完全な人々の世界”として仕立て上げた作者の炯眼には、感心するばかり。
こんな評価は作者にとって不本意かもしれないが、小説のネタとしても、映画の原作としても魅力的な、多くを考えさせられる“社会性”をもった作品集だ。

◆『ビューティフルピープル・パーフェクトワールド』の参考レビュー一覧
(*タイトル文責は森口)
「美醜という題材の扱いにくさを、SFとしてうまく昇華」--イチニクス遊覧日記
「『姿形を変えられる』から想像されるバリエーションを上手に使い展開」--マンガ一巻読破
「人々が心に抱え込んだ問題をさまざまな角度から描く」--asahi.com(ササキバラ・ゴウ氏)

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【映画】シリアの花嫁2011/01/13

『シリアの花嫁』
『シリアの花嫁』(2004年・監督:エラン・リクリス)
2004年モントリオール世界映画祭のグランプリ作品ということだが、これが存外面白かった。

製作がイスラエル・フランス・ドイツで、アラビア語・ヘブライ語・英語・ロシア語・フランス語が飛び交うというまさにグローバルな映画。
監督はワタシも知らない人だが、深刻になテーマをブラックなユーモアをうまくまぶして、じつにエンターテイメントな作品に仕立てている。

イスラエルの占領下中東・ゴラン高原のとある村。その複雑な国際情勢によって“無国籍者”になっている花嫁モナ(クララ・フーリ)が嫁ぐ日だというのに、花嫁も姉(ヒアム・アッバス)もなぜか悲しげな表情をしている。その理由は、祖国のシリア側への“境界線”を越えたら、二度と家族のもとへは帰れないからだ。
そこへ信仰に背いてロシア人と結婚した長男家族や、“境界線”で手続きを担当する女性スタッフの元恋人だったいうプレイボーイの次男もやって来るのだが、トラブル続きで花嫁は“境界線”をなかなか越えられない…。

この複雑な政治・国際情勢に翻弄されるながら、さらに親兄弟・親族との確執など揺れる家族の姿が描かれるのだが、ここでうまく配されたのが、花嫁を撮影するカメラマンの存在だ。
このカメラマンによる“外からの視点”が入ることによって、この愚かしくも複雑な物語がユーモアをもって解説される。それまでまったく笑顔を魅せなかった花嫁が、この道化的な役割を担ったカメラマンとの短い会話で、初めて笑い顔をみせるのだ。

さらに、長男のロシア人妻とその息子も然り。“部外者”として的確な役割を得て、二人の存在もまたこの物語にふくらみを与えている。

そして、二進も三進もいかなくなったこの悲喜劇に幕をひいたのは、誰あろう花嫁の敢然たる行動によってだった。そのキリリとした花嫁の表情以上に、それを見送る姉の、悲痛な思いに打ちひしがれながも妹を祝福することを決意した表情が、じつに素晴らしい。
その眼差しは喜びに満ちたものではなく、苦難なる未来をしっかりと見すえている。

『扉をたたく人』でも圧倒的な存在感を示していた彼女が、ここでもまるで彼女の映画であるかのようなじつに印象深い演技を魅せて、この秀作は晴れやかに終わる。

『シリアの花嫁』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
「政治的な要素と共に、家族の普遍的な愛を描く物語」--映画通信シネマッシモ
「実情を踏まえて、民族と国家のあり方を問う」--映画ジャッジ!(福本次郎氏)
「愛、団結、勇気に彩られたドラマ」--映画ジャッジ!(佐々木貴之氏)
「『シリアの花嫁』の見方」--パレスチナ情報センター(早尾貴紀氏)
「〈観ること〉が、今、〈映画〉によって問われている」--図書新聞(小野沢稔彦氏)
「悲壮感を前面に出さないユニークな描き方」--LOVE Cinemas 調布
「境遇を越えて運命を選択する、自立と自決の物語」-シネマな時間に考察を。-
「複雑な政治的背景も手際よく説明する語り口も、うまい」--分太郎の映画日記

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【本】eBookジャーナル vol.12011/01/14

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eBookジャーナル編集部 ほか

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間もなく第2号が刊行 されてしまうので、今さらなのだが、昨年(2010年)11月に刊行されたムック『eBookジャーナル』の第1号
「電子出版ビジネスを成功に導く総合誌」と謳っていることからわかるように、本書は電子出版ビジネスに携わる、携わろうという人たちに向けた専門誌だ。

それだけに、「どうなる!どうする!?日本の電子出版」といった巻頭特集でも、同じように日本の電子出版の現状を俯瞰した「週刊ダイヤモンド」のそれ よりも、もっとつくり手側に寄り添った内容になっている。

具体的には、フォーマット、コンテンツ、配信プラットフォーム、さらにワークフロー、制作ツールといった横文字言葉やさまざまな図説が並ぶ。よって、そうした電子出版の制作側に興味のない人は読んでもあまり有益ではないだろうし、例えば“EPUB”と聞いてチンプンカンプンな人は、読み進めるのに苦労するかもしれない。

しかし、ワタシのように活字データをどのようにデジタル化して、現在のように乱立するプラットフォームやデバイスに対応させていくのか、いささかなりとも興味のある者にとっては、ワークフロー図もわかりやすく、まさに手とり足とりの入門書といえる。
まあ、実際にここに書かれていることが、出来るようになるかどうかは別にして(笑)…。

それにしても、冒頭のインタビューで植村八潮氏が「電子書籍ブームは実体がない」「言うなれば電子書籍“端末”ブーム」との喝破はまさにその通りだと思う。
なぜなら、「コンテンツ10万点を目指す」と鳴り物入りで立ち上がった大日本印刷とドコモらによる電子書籍書店のオープンが遅れに遅れたうえ、なんとわずか2万点のコンテンツでスタートというのだから、行く末が思いやられる。
老舗の「パピレス」の16万点(これでも少ない!)以外は、ほかのプラットフォームもおおむねコンテンツの点数はこんなもので、いかにこのビジネスが難しい課題を背負っているかわかる。

このコンテンツの少なさは、おそらく権利関係や法的な問題が絡んでいるのかと思うが、本書でもそのあたりのことは「権利・法律の諸問題」として一つの柱になっているようなので、今後とも引き続いてこの問題を掘り下げていってほしい。
ちなみに次号の特集テーマはまさに「プラットフォーム大研究。」のようなので、このあたり期待したい。

そもそも、電子出版ビジネスの専門誌である本書が、紙版と電子版で出されるというのがいかにも過渡期で、もっとも結局、電子版にしようか迷った末に紙版を読んでいるワタシも人のことは言えないのだが…(苦笑)。

まあ、未だにワタシが端末も持たず電子書籍に飛びついていないのは、先に挙げたようにまだコンテンツが圧倒的に足りないのと、リーダーとしては軽くて読みやすいKindleの日本版を待っているから。

ところが前述の八潮氏によると、Kindleの戦略は明確で「アマゾンは、まず書店という流通の市場を奪い、次にKindleによって紙、刷り、製本という印刷会社の売上を奪うという戦略」で、「だから、紙の本でできないことはしない」、よって「マルチメディア化を求めはいない」という。
だとすると、ワタシが電子書籍に求めるリッチコンテンツとマルチタスクという機能は、当分Kindleに搭載されないだろうし、さて、ではどの端末にすればいいのやら…。

しかし、Kindleがそうだとすれば、むしろ日本のデバイスはマルチメディア化によって活路を見いだせる可能性もあるわけで、『本は、これから』でも触れたように、最初から海外市場に向けたコンテンツづくりも活況になるやもしれない。

「朗読少女」がすでに20万ダウンロードされていることなど、ワタシも識らなかったし、マンガだけではなく、これからは日本独自の“ガラパゴス・コンテンツ”の腕の見せ所ではあるまいか。
ワタシなどは密かに、“落語”なぞはジャパニメーションに続くクール・ジャパン・カルチャーとして、世界に売り出せるのではないかと思っている。それくらい、今のニッポンの落語は独自のエンターテイメントして進化し続けている。

さて最後にもう一度誌面に戻ると、若手写真家が“電子写真集”について語る記事では、「レイヤー構造で新しいものをつくりたい」とか、「盛り込んでもらいたいのは、(写真の)フレームを選べる機能」、更新できるようにすれば「電子写真集は作家性を継続的に提示できるツールだと思う」といった前向きが発言が多く、こうした作家側からの“夢”を語る記事がもっとあったほうがいい。
だって“売らんかな”だけじゃ、つまんないでしょう。

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