【コミック】風間亭やんわりの漫画落語傑作選2011/02/11

風間亭やんわりの漫画落語傑作選風間亭やんわりの漫画落語傑作選
風間 やんわり

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落語を題材にしたマンガといえば、まっ先に浮かぶのは古谷三敏氏の『寄席芸人伝』 という世代だが、ビッグコミック連載中の『どうらく息子』(尾瀬あきら・落語監修:柳家三三)も新たな傑作落語マンガを予感させ、そして風間やんわり氏による本書もまた、味わいある落語マンガとして十分に推挙できるものだ。

その特長をひと言でいえば、古典落語のやんわり流現代風ギャグへの“改作”集だ。
例えば、“第一席”の「寿限無」からして、その長たらしい名前でトホホな子ども時代を送り、やがてその名前に嫌気がさしてヤクザになったものの、逆にその名前で命拾いをするという馬鹿馬鹿しいオチで、クスリとさせる。

対談相手の春風亭昇太師匠から「一目でわかる絵というのは本当にすごい」とヨイショされたその絵は、お世辞にも“上手い”ものではないが、たしかにトホホな〆でオチまくる風間亭ギャグにはマッチングしている。

昇太師匠のほかにも、立川志の輔柳家喬太郎三遊亭楽太郎各師匠らとの対談が本書に華を添えているが、さすが師匠連で、「じつは落語家になりたいという気持ちがあったんです」というやんわり氏に対して、昇太師匠が「だから『好き』と言っても、落語家になりほど好きじゃないんだよ(笑)」とやんわり(でもないか…)と返したり、喬太郎師匠は「落語という話芸だから成立するものはいっぱいあります」と「金明竹」における“サブリミナル効果”を語って、「これを漫画で表現するのは難しい」と、マンガに対抗心を燃やすかのようにその芸を自負する。

「落語用語コラム」も収められて、初心者にも目配せするつくりだが、結果として前掲のストレートな落語表現とはまた違う、落語の“奥深さ”を見せつける逸品となっている。

『風間亭やんわりの漫画落語傑作選』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
「実に見どころが多いマンガ」--ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ
「落語だと知らなくても楽しめるマンガ」--asahi.com(中野翠氏)

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