【CD】My Room In The Trees/The Innocence Mission2010/09/23

マイ・ルーム・イン・ザ・トゥリーズマイ・ルーム・イン・ザ・トゥリーズ
イノセンス・ミッション

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欧米の(最新)ロックに興味が持てなくなってから久しい。
私見だが、ロックが世界のポピュラーミュージックを牽引していたのは1970年代まで。1980年にその役割を終えた。なぜならTalking Headsがこの年に『Remain In Light』 を発表し、ワールドミュージックの扉をこじ開けたからだ。これによって、世界中にすでに存在していたその土地のルーツに根ざしたポピュラー音楽が「発見」され、以降、ロックと等価に聴かれるようになる。欧米がポピュラー音楽の中心であるという幻想が崩れたのだ。
そして82年、CDが登場する。87年にビートルズの音源がCD化されることによって、このメディアは急速に広がった。それによって何が起こったか? 過去のさまざまな音源がCD化され、「時間の扉」が解かれたのだ。つまり過去の音源も新曲も等価に聴かれるようになった。
若者が集うクラブで、DJがビートルズをかけたところ、フロアの若い客から「これは何ていう新人バンド?」と尋ねられたという笑い話もさもありなん。ワタシが若い頃、日本盤が発売されなかったバンドの音源や、こここまでやるか!?と思えるような過去のレア音源が発掘、リリースされ続けている。それをまた若い世代が新鮮に耳する。まさにバック・トゥ・ザ・フューチャー現象が起こったのだ。
ワールドミュージックが世界のポーダーレス化を勧めたとするならば、CD(音楽のデジタルアーカイブ化)は、音楽文化のタイムレス化を推進した。そして、この動きはまだしばらく続くのではないか…。
と、同様に書籍がデジタル化されたときに同じ現象が起こるのではないか…とワタシは思っている。

前置きが長くなったが、そんなロック幻想が持てなくなったワタシの耳に久かたぶりひっかかった盤が、米ペンシルバニア州出身の3人組The Innocence Missionによる『My Room In The Trees』(2010年6月)。
収録曲の⑥「All the Weather 」が、福山雅治演ずるキューピーハーフのCMに使用されていたというが、ワタシは知らなかった…。話題になっていたのだろうか?
もっとも彼(彼女)らの音楽に、いわゆる「ロック」ではない。ややハスキーで甘酸っぱい声に、ギター、ベース、ストリングスが静かに絡む。タイトルどおり、日陰のツリーハウスか、冬の日に部屋で一人静かに聴くのがふさわしい静寂の音楽。しかし、かえってワタシはそこにかって「ロック」がもっていた強靱さを感じる。自分たちの音楽に対する確信とそれに見合う技量と才能。ワタシが惹かれたのは、きっとそこであろう。

というわけで、ワタシもこれからバック・トゥ・ザ・フューチャー→「THE ROLLING STONES 『LADIES AND GENTLEMEN』Film Live at Budokan」に出かけることにするか…(苦笑)。
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