【本】アッシュコンセプトの仕事―名児耶秀美と36人のデザイナー2010/09/18

hello!design アッシュコンセプトの仕事―名児耶秀美と36人のデザイナーhello!design アッシュコンセプトの仕事―名児耶秀美と36人のデザイナー
名児耶 秀美

ラトルズ 2006-11
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『「みんなの知識」をビジネスにするクラウドソーシングの可能性』(兼元謙任+佐々木俊尚著・翔泳社)のなかで、「集合知」のビジネス展開の活動例として取り上げられていたデザイン事務所「アッシュコンセプト」の本。
「生活者とデザイナーがともに楽しめるものづくり」をテーマに、若手デザイナーとコラボレートとしてデザインブランド「+d」を展開。本書では、その作品群が美しい写真とデザイン(レイアウト)ともに紹介され、それが「商品」に至るまでの経緯などが語られる。
こういう本は眺めているだけで楽しい。
第一号作品の「アニマルラバーバンド」は「落ちていたら拾ってもらえて掃除機にも吸われないサステイナブルな輪ゴム」をコンセプトに制作された動物のかたちをした色とりどりの輪ゴムたち。絵の具チューブやバナナのかたちをしたドアストッパー、さまざなアイデアが詰まったブックマーク(しおり)など、遊び心と実用性を備えた「商品」たちは、オトナの「萌え」をそそる。
だが本書は、同社の商品カタログではない。こうした商品が「つくることを前提したコンペ」など、さまざまなコラボのうえに成立している。そのことを巻末の名児耶代表らによる座談会などによって解き明かそうとしているのだが、どうも「思想」ばかりが先走って、どうもその協同作業、ものづくりの面白さ=裏側が見えてこない…。
刊行は2006年。「集合知」なる発想が、まだ日本でもに十分に周知されていなかった時代でもある。むべなるかな、ではあるがやや残念。

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