【本】君と会えたから・・・2010/09/28

君と会えたから・・・君と会えたから・・・
喜多川 泰

ディスカヴァー・トゥエンティワン 2006-07-10
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ときに思わぬ秀作に出会うことがあるので、ヤングアダルト本やライトノベルに手を伸ばすことがある。そうして知った注目の作家に『カラフル』の森絵都『温室デイズ』の瀬尾まいこがいる。
本書もそうした動機から手にとったのではあるが、感心したのは作品の出来ではなく、ほほぉ、こういうジャンルもありなのかと、見聞を新たにしたこと。そうした意味では、本書の著者『もしドラ』の先をゆく自己啓発+ライトノベルのミクスチャーという新しいジャンルを切り開いたイノベーターなのかもしれない。

で、内容だが、イケてない高校生活を送る主人公が、心よせる少女の「父」が書いた「手紙」の内容に啓発されて、「夢」を掴みとっていくというもの。「手紙」によって、自己分析→実現に向けて具体的な行動までが、レクチャー(ステップアップ)されるのだが、少女との恋愛と「いのち」をサブテーマにした「小説」の形式をとっているので、「自己啓発」モノ特有の押しつけがましさをあまり感じずに読み進めることができる…のだろう。

「…のだろう」と記したのは、啓発本の類をほとんど読んだことのないワタシには、どうしても読みながら、こっ恥ずかしさを払拭できなかったからだ。恥ずかしながら、加藤諦三先生の本を読み漁っていた中高生時代を思い出してしまった(苦笑)。
ベストセラーになっているからには、多くの若い層から支持を得ているのだろうが、主人公が「世間の多くの人から成功者として認められるようにもなり」という結末に、鼻白んでしまうのは、ワタシが「成功者」ではないから? ベタな結末のほうが(若年層の)読者にはわかりやすいのかもしれないが、むしろ「成功者として認められ」ない、現世に無数に存在するシアワセな結末のほうがインパクトがあろうに…と思ってしまうのだが。

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