【映画】エターナル・サンシャイン ― 2010/09/08

『エターナル・サンシャイン』(2004年・監督:ミシェル・ゴンドリー)
「記憶」をテーマにした恋愛(純愛)映画だが、どうもテイストが『マルコヴィッチの穴』に似ているなと思ったら、脚本にチャーリー・カウフマンが参加していた(カウフマン、ゴッドリーにピエール・ビスマスを加えた脚本チームは本作でアカデミー脚本賞を得ている)。そして、ゴンドリーと言えば、ビョークやケミカル・ブラザースら数多くの刺激的・実験的なミュージックビデオを手がけた映像作家として知られた存在だ。
が、そうした才能の結集のなかで、じつは本作を(商業的な意味も含めて)成功に導いた最大の功労者は、気弱な主人公を演じたジム・キャリーではないだろうか。
このスタイリッシュ、かつ(いわゆるハリウッド的な基準で言えば)難解な作品が、ハリウッドならびに多くのアメリカ人に受け入れられたのには、主役にコメディ俳優のジム・キャリーを配したことが大きい(と思う)。まさにクレバーなキャスティングだと思う。
もちろん『トゥルーマン・ショー』や『マン・オン・ザ・ムーン』といったシリアス演技での実績はあったにせよ、製作チームは本作でキャリーにコメディ色を一切廃し、見事なダメ男を演じさせている。観客は、あのキャリーが!という驚きとともに見事に、ゴッドリーの映像美と、まるでメビウスの輪のように入り組んだこの物語に引き込まれていく。
「記憶除去手術」というありえない設定によって、我々はこの寓話劇に導かれ、そして「記憶」「愛」というテーマを通じて、結局は「人間とは何か」という深淵なる問いにぶつかるのだ。
↓応援クリックにご協力をお願いします。

「記憶」をテーマにした恋愛(純愛)映画だが、どうもテイストが『マルコヴィッチの穴』に似ているなと思ったら、脚本にチャーリー・カウフマンが参加していた(カウフマン、ゴッドリーにピエール・ビスマスを加えた脚本チームは本作でアカデミー脚本賞を得ている)。そして、ゴンドリーと言えば、ビョークやケミカル・ブラザースら数多くの刺激的・実験的なミュージックビデオを手がけた映像作家として知られた存在だ。
が、そうした才能の結集のなかで、じつは本作を(商業的な意味も含めて)成功に導いた最大の功労者は、気弱な主人公を演じたジム・キャリーではないだろうか。
このスタイリッシュ、かつ(いわゆるハリウッド的な基準で言えば)難解な作品が、ハリウッドならびに多くのアメリカ人に受け入れられたのには、主役にコメディ俳優のジム・キャリーを配したことが大きい(と思う)。まさにクレバーなキャスティングだと思う。
もちろん『トゥルーマン・ショー』や『マン・オン・ザ・ムーン』といったシリアス演技での実績はあったにせよ、製作チームは本作でキャリーにコメディ色を一切廃し、見事なダメ男を演じさせている。観客は、あのキャリーが!という驚きとともに見事に、ゴッドリーの映像美と、まるでメビウスの輪のように入り組んだこの物語に引き込まれていく。
「記憶除去手術」というありえない設定によって、我々はこの寓話劇に導かれ、そして「記憶」「愛」というテーマを通じて、結局は「人間とは何か」という深淵なる問いにぶつかるのだ。
↓応援クリックにご協力をお願いします。



最近のコメント