【本】世界を不幸にするアメリカの戦争経済 ― 2010/09/07
『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』(ジョセフ・E・スティグリッツ+リンダ・ビルムズ著・徳間書店)
「イラク戦費3兆ドルの衝撃」との副題のとおり、アメリカがイラク戦争でどれだけの金を使ったのか、どれだけの犠牲を強いたのか、具体的なデータを挙げて検証した戦争批判の書。
なんといっても本書のキモはその徹底したデータ主義だ。戦費「3兆ドル」(現在のレートで約255兆円!)という数字にいきつくまでに、膨大なデータを検証・蓄積し、さらに数字だけでは顕せない「兵士たちの犠牲」や「社会的なコスト」に至るまでその追跡の手を緩めない。
ちなみに、そのコスト(直接的な軍事活動費)は、12年続いたベトナム戦争の1.5倍、湾岸戦争の約10倍、第一次戦争の2倍になると推定され、過去にそれより高くついた唯一の戦争が第二次世界大戦というのだから、いかにイラク戦争が「巨大ビジネス」であったかわかる。
なお、本書によると、この戦争による日本の総コストは、原油高による財政出動なども3070億ドル(同・約26兆円)にのぼるという。
さらに本書の価値を高めているのは、実際にかかった戦費を隠蔽するという「戦争の不正会計」を正すために「戦費を“緊急”補正予算から支出させない」などの具体的な改革を案を提案していることだ。
おそらく今後の戦争批判のイデオローグとして、本書の果たす役割は非常に大きいと思う。「お金」「経済」という思想で、徹底的に戦争という愚行の本質に迫っているからだ。しかも、この手法は何も「戦争批判」だけに当てはまるものではない。例えば、議論を呼ぶ「原発」などもこうしたお金の面での徹底的な検証が必要なのではないだろうか? そうした社会批判・問題提起の「基準」をつくった点でも本書の意味は大きい。
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「イラク戦費3兆ドルの衝撃」との副題のとおり、アメリカがイラク戦争でどれだけの金を使ったのか、どれだけの犠牲を強いたのか、具体的なデータを挙げて検証した戦争批判の書。
なんといっても本書のキモはその徹底したデータ主義だ。戦費「3兆ドル」(現在のレートで約255兆円!)という数字にいきつくまでに、膨大なデータを検証・蓄積し、さらに数字だけでは顕せない「兵士たちの犠牲」や「社会的なコスト」に至るまでその追跡の手を緩めない。
ちなみに、そのコスト(直接的な軍事活動費)は、12年続いたベトナム戦争の1.5倍、湾岸戦争の約10倍、第一次戦争の2倍になると推定され、過去にそれより高くついた唯一の戦争が第二次世界大戦というのだから、いかにイラク戦争が「巨大ビジネス」であったかわかる。
なお、本書によると、この戦争による日本の総コストは、原油高による財政出動なども3070億ドル(同・約26兆円)にのぼるという。
さらに本書の価値を高めているのは、実際にかかった戦費を隠蔽するという「戦争の不正会計」を正すために「戦費を“緊急”補正予算から支出させない」などの具体的な改革を案を提案していることだ。
おそらく今後の戦争批判のイデオローグとして、本書の果たす役割は非常に大きいと思う。「お金」「経済」という思想で、徹底的に戦争という愚行の本質に迫っているからだ。しかも、この手法は何も「戦争批判」だけに当てはまるものではない。例えば、議論を呼ぶ「原発」などもこうしたお金の面での徹底的な検証が必要なのではないだろうか? そうした社会批判・問題提起の「基準」をつくった点でも本書の意味は大きい。
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