【本】ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ2010/09/04

『ウィキノミクス』
『ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ』 ドン・タプスコット+アンソニー・D・ウィリアムズ 著(日経BP社)
おそらく、かのクリス・アンダーソンもベストセラー『フリー』 を書く際に参考にしたであろう「集合知」を本格的に論じた本。つい先日読了した『クラウドソーシング みんなのパワーが世界を動かす』(ジェフ・ハウ著・ハヤカワ新書) も同様のテーマであり、これらの(アメリカを中心とした)世界的な動きに対して、日本でも『「みんなの知識」をビジネスにするクラウドソーシングの可能性』(兼元謙任+佐々木俊尚著・翔泳社) など多くの類書が生れている。
で、とにかくこの著者は、膨大な量の対話や議論をネット上で行うことを「ブロゴスフィア」、組織の壁を超えたコラボレーションを「ウィキワークプレイス」、財やサービスのつくり手になった消費者を「プロシューマー」などと名づけ、これらのコラボレーションの神髄「ウィキノミクス」を「あらゆるものが変化する新時代のメタファー」と位置づける。
もちろんこうした動きはインターネットの普及と進化がなければありえないムーブメントなわけだが、Wikipediaに代表される情報文化におけるウィキノミクスだけでなく、トヨタのプリウスやi-podなどの製品でも、プロシューマーによるコミュニティサイトが生れDIYが爆発的に進展しているというし、音楽におけるサンプリングなどの「リミックス文化」もこうした流れの一つだと、とらえる。
というわけで本書はさまざまな事例を挙げて、この「ウィキノミクス」文化を礼賛するのだが、「企業経営者は、成功するためには、ウィキノミクスを手本として、その原理原則を自分のものとしなければならない」とし、「企業は、コラボレーション環境で生きていくために、いままでにない能力を身につけなければならない」「--この能力が、今後の富の形成や成功の前提条件となる」とまで言い切られると、はたと疑問をもたざるをえなくなる。
なぜなら、とかく日本にこうした概念が持ち込まれるときに、この「経営者」「企業」が「労働者」にとって換えられ、まさに「いままでにない能力を身につけ」られない労働者を切り捨てる際の事由とされてしまう…ことを危惧してしまうからだ。
実際に「ウィキワークプレイス」へと職場環境が変化したときの「予測」として、「雇用関係関係は流動的になり、雇用関係は期間は確実に短くなり、間違いなく水平性が強まる」として、「社員の多くにとって、これは歓迎すべきことであるたずだ」としているけど、「水平性」はともかく、これってに社員(労働者)が望むこと!?
さらに、この「ウィキノミクス」って、結局、英語(アメリカ)文化の覇権主義じゃないの? 英語使えないとこのコミュニティサイトに入れないんじゃん!? といううがった見方ができるし。( ^ ^ ;
やっぱり、楽天サンみたいに英語を共通語にしないとと、日本は生き残れない!?(…20年後はこの「英語」が「中国語」に換わってたりして…)(>_<)

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