【本】明日のテレビ チャンネルが消える日2010/10/26

明日のテレビ チャンネルが消える日 (朝日新書)明日のテレビ チャンネルが消える日 (朝日新書)
志村 一隆

朝日新聞出版 2010-07-13
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WOW WOWを経てアメリカの大学で学びながら、かの地の最新テレビ/通信事情を見聞きしてきた著者による初の著書(7月刊行)。…と思っていたら3カ月後に続編ともいうべき『ネットテレビの衝撃 ―20XX年のテレビビジネス ネットテレビの衝撃 ―20XX年のテレビビジネス』がつい数日前に刊行された(未読)。それだけこの分野・業界の動きが速く、またその動向が注目されているということだろう。

…というか、どうしてこうしたテーマの本が今まで出版されなかったのか? 著者の如く精通した適切なレポーターがいなかったこともあろうが、本書に記された米ネットTV事情の凄まじい変貌を読むと、遅きに失した感すらある。

もちろん本書のメインテーマとなっているテレビとインターネットとの融合、クラウド化についての記述はもとより、例えば、「6月から9月は夏休み、再放送ばかり」だとか「午後はお休み状態、夜8時から11時までのプライムタイムに力を入れる」など、知ってそうで知られていなかったアメリカの放送事情に目からウロコが多々…。

もっともi-tuneをはじめ、すでにクラウド化が進む米音楽ビジネスについて、多少見聞きしているワタシにとって、アメリカのテレビ・映画コンテンツのクラウド化についてはそう驚くものではない。ワタシの関心はむしろ、そうした動きがどのようなスピードと進化の形態で、日本のテレビ/ネット業界に導入されるか? その一点に尽きると言っていい。

最近になってわが家の近くにTSUTAYAの新店がオープンしたが、ワタシはすでにネット会員なのでそうした店舗はもはや必要ない。ゆうメールでのDVD/CDやり取りで大変重宝しているが、ネットテレビが実現すれば早晩それも面倒になり、オンデマンドで視聴するようになることは間違いない。おそらくTSUTAYAもそうた事態を見越して、「古本」という店舗型メディアに注目したのだと思う。

本来は、スピーディーかつ、更新可能なレポートとして本書こそネットに接続した電子書籍として出されるべきもの。まだ過渡期…と言っているうちに100周遅れのランナーにならぬよう、その警告の書として出版された紙ブック。…というのも何だか日本テレビ/出版業界を象徴するようで実にアイロニカルだなぁ(笑)。まあそれはともかく、“テレビの未来”を考えるうえで是非、読んでおきたい最新レポート。

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