【CD】Robert Plant/Band of Joy ― 2010/10/21
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カントリーのアリソン・クラウスと組み、アカデミー賞にも輝いた前作『Raising Sand』 も秀作だったが、本作は、それも本作に向かうための“習作”ではなかったと思わせるほどの出来だ。
本作をひと言で表せば、ブリティッシュ・トラッドと米南部音楽の“幸せな結婚”。前作でのカントリー指向をさらに、ブルースやトラッド、スワンプといった米南部音楽まで広げ、かつ掘り下げ、そこにゼップ時代から引き継ぐ英国独特の陰影に富んだサウンドをクロス・カップリングさせている。
プラントの歌声も気負うことなく、この新機軸のサウンドにしっかりとマッチングしている。ときにゼップ時代のようなたたみかけるような歌唱を披露するのはご愛敬だが、前作ではやや枯れすぎ感があったヴォーカルが、ここでは見事に「ロックの」ヴォーカルになっている。
米オルタナ・バンドLOWのカバー「Silver Rider」 の重厚な料理も素晴らしいし、トラッドの「Satan Your Kingdom Must Come Down 」も貫祿の歌唱。
こうなったら、ゼップ時代のトラッドやブルース曲、Honeydrippers 時代の諸作も含めた、“シャウトしない”現在進行形のプラントのソロ公演が観たくなる。あるいは本作での鳴りのいいギター(共同プロデューサーBuddy Miller)を聴いていると、やはり壮年充実ぶりがハゲしいエリック・クラプトンやスティーヴ・ウインウッドあたりとの共演があってもいいかな…と。
更には、3大テノールを模して、同じく現役バリバリのロッド・スチュアート、ポール・ロジャースとの“3大ロック・ヴォーカリスト”ワールド・ツアーを夢想してみたり…(ロッドが嫌がるか(笑))。
自分の進むべき道を見つけたプラント。本作は、そのソロ黄金時代の幕開けともいうべき代表作に讃えられるだろう。
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