【TV】glee/グリー 踊る♪合唱部!? ― 2011/05/13
昨年、アメリカで放送が始まるや否やそれを観た複数の米滞在タレントや識者が、口々にこの『glee』を絶賛していたが、さもありなん。
いわば幕の内弁当にかつカレーをのせ、豆腐ラーメンをぶっかけて、ティラミスとタバスコをトッピングしたようなドラマなのだから(笑)。
物語はかつてミュージシャンになる夢を持っていた高校教師が、ひょんなことからグリークラブを引き継ぐことになり、落ちこぼれ生徒たちを集めてクラブの存続を図る。
そこへさまざまな妨害や思惑が絡み、まさに毎回ドラマティックな展開をみせる音楽&青春ドラマだ。
NHK・BSプレミアム(毎金曜22:00~22:45)で現在まで5回まで放送されているが、毎回少しずつそのテイストを変化させていくという手法も含めて、米TVドラマの底力を感じさせる出来。
まず、初回から(日本の)通常のTVドラマの5回分ぐらいのスピードで、それぞれが問題やコンプレックスを抱えた登場人物が紹介され、一気にグリークラブ結成へと走る。
ワタシなどはグリークラブといえば、否応もなくダークダックスやデュークエイセスを連想してしまう世代だが(どういう世代だ!?)、まずは、えっ、米ハイスクールのグリークラブってこんなにヒップなの!?ということにまず驚く。
いきなりエイミー・ワインハウスやらカニエ・ウエストのヒット・チューンがコーラスされ、邦題にあるようにヒップホップ・ダンスよろしくひたすら踊りながら歌うという、ワタシのなかにある「グリー」のイメージを打ち砕くに十分な出だし。
その衝撃は、いつの間に一大エンターテイメントに進化していた米マーチングバンドの大会を目にして以来。
ようやくクラブのメンバーの気持ちが一つになり、ラストで本作のテーマソングともいうべきJourneyの「Don't Stop Believin'」が歌い踊るシーンに至る頃には見事に術中にはまり、“感動”に浸るワタシがいる(苦笑)…。
そのままのジェットコースター・ドラマでいくのかと思いきや、3回目あたりで劇中の人物が突然歌い出す従来のミュージカルをバロッた(リスペクト?)趣をみせ、4回目ではマンガチックなテイストでおよそありえない人間絵巻へと展開が転がる…。
これは米ドラマの常套ではあるのだが、黒人、日系、ヒスパニック、ジューイッシュなどさまざまな人種・民族やゲイ、障がい者などがデフォルメチックに配され、マイノリティ感溢れる“負け犬”的なキャラが立ちまくる。
つくり手の上手さを感じるのは、バタバタでベタな展開のなかに、突然ふいをつくように泣かせるセリフや場面を挟み込み、その落差にオヤジはこれにコロっとやられてしまう…。
ゴールデングローブでTVドラマシリーズの最優秀作品賞をはじめ、各賞受総ナメ的な評価もダテではない、オススメ作だ。
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_ 映画の話でコーヒーブレイク - 2011/05/14 23:36
そして・・・一気にシーズン1の全22話を見てしまいました。
4月からNHKのBS海外ドラマで放送が始まっているようですが、DVDがリリース済みで、
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