【演劇】バナナ学園純情乙女組『バナナ学園★王子大大大大大作戦』2011/05/22

バナナ学園純情乙女組『バナナ学園★王子大大大大大作戦』
智恵と努力と情熱満載の怒濤の80分。
噂の「バナナ学園純情乙女組」公演に初参戦したが、これはもう諸手を挙げて全面支持するしかない。凄まじいエネルギー溢れる『バナナ学園★王子大大大大大作戦』を堪能した(5月22日・王子小劇場)。

この日は楽日の最終公演。
入場の際には「場内は汚れています。レインコートをお配りしています」と声がけがあり、既にコスプレを施した出演者たちがうろつく“汚し”の入った劇場内に入れば、「いろいろなものが飛び散ります。“精液”が飛び散るかもしれません」というアナウンス(笑)。

それだけでもうすでにそこには、祝祭感とまがい物感が溢れ、一体何が始まるのかという観客の期待を嫌がうえにも盛り上げる。

ステージは全4場。冒頭からフルスロットルで、レビュー形式の舞台が繰り広げられる。戦闘服、セーラー服、半裸、被りもの、女装、男装、和服、紙オムツ(!)…さまざまなコスプレに身を包んだ30名にも及ぶ若い男女たちが、ステージ狭しと歌い、舞い、踊る。

思想、ジェンダー、年齢…あらゆるものを蹴散らかすように、強烈なリズムにのって、エナジーを発散しながら疾走をやめない。
しかし、よく目を凝らしてみれば、それらの動きは緻密に計算されており、てんでバラバラの動きから一転して一糸乱れぬ場面にスムースに転換するなど、相当修練を積んでいるかようなの印象を受ける。

例えば、しばしば客席にのしかかかるように、ステージ中央にモッシュするが、そのスクラムはけっして崩れることなく、スムーズに集散を繰り返す。

しかも、2F屋も含めたステージ上ではさまざなアクションが同時に進行しするので、一瞬たりとも目が離せない。それどころか、役者たちがしばしば客席に乱入し、さまざまなモノや“液体”が飛び散るので、観客はまったく気が抜けない。

いや、じつにスリリングな体験。じつに、エキサイティングなエンターテイメント!
役者たちがコンパクトカメラで客席に向かって一斉にフラッシュを炊き、糸電話(!)をうまく取り入れたパーフォーマンスを魅せるなど、80分余りのステージに一体どれこだけのアイデアが詰まっているのだろうかと、感心することしきり。

終演後は(これもステージの一部なのだろう)、観客一人ひとりにお茶が配られ「任務遂行(観劇)」の「表彰状」が手渡される。観客に参加意識を持たせ、この“祝祭”を自分たちのものだけにしない演出で、見事に最後を締めた。

「毛皮族」のエンディングも祝祭感溢れるレビューが売りだが、「バナ学」のそれは、それはもはや祝祭そのもの。ヒトが持つあらゆる欲望と業を、すべて発散して魅せる極上の祭りだ。
ボブ・ディランがエレキギターを手にしたとき、その“詩”を知覚から体感へと解き放ったように、“物語”を超えたパワーがここにある。

もしポスト「静かな演劇」があるとすれば、この「バナナ学園」こそ、その対極を疾走する存在として評価すべきだろう。

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