【CD】Olof Arnalds(オルロフ・アルナルズ)/Innundir Skinni ― 2010/12/10
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プロフィールを読むと、同国のエレクトロニカ・バンド、ムーム(Mum)のメンバーとしても活動していたらしい。というかアイスランド音楽については、ワタシも不案内で、ビョークは別格として、彼女が在籍したシュガーキューブスやシガーロスを耳にしてきた程度。
しかしながら、このアルバムを一聴して、ワタシが近年愛してきた北欧やアイルランド音楽に通じる清楚で燐とした歌とサウンドに、一気に引き込まれた。
本人の弾き語りらしきギター、チャランゴに乗せて、鳥のさえずりのように響くキュートな歌声と簡素なサウンドは、かの地を思わせる清涼感溢れるもので、部屋の空気さえも一変させてしまう。
ほかにも、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノ、ティンパニーなどの楽器を操る才人のようだが、なかでも目(耳)を引くのはチャランゴだ。
アイスランド音楽のなかで、チャランゴという楽器がどのような位置を占めているのかは判然としないが、ドーナル・ラニーがギリシャの民俗楽器であるブズーキを持ち込んだことで、アイルランド音楽がワールド・ミュージックとしての可能性を拡げたように、南米生れのこの楽器が自分の音楽としてしまったアルナルズにも“革新者”としての矜持が感じられる。
ビョークが参加した「Surrender」でも、アルナルズが奏でるチャランゴに乗せて、ビョークがさすがに存在感のあるヴォーカルを聴かせる。官能的な映像で綴るPVも必見だ。↓
小国だけにミュージシャン・ネットワークも濃密のようで、シガー・ロスのキャータン・スヴィーンソン(key)が本作のプロデュースを手掛け、また多彩な面々が彼女をサポートしているようだ。
あまり注目してこなかったアイスランドだが、こんな異才が現れるのなら、少しこの国の音楽を追い掛けてみようかと思う。
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