【LIVE】竹内まりや Souvenir Again mariya takeuchi live 20102010/12/05

竹内まりや LIVE 2010
竹内まりやの10年ぶりのコンサート「Souvenir Again mariya takeuchi live 2010」の日本武道館公演2日目に参戦(12月4日)。

人はいったい何を求めてライブに足を運ぶのだろうか?
CDでは味わえない音の迫力? 動く生身のアーティストの姿? 臨場感? 共有感? ファンとしての義務感? もちろんその全てかもしれないのだが…。

夫君の山下達郎氏による寸分のスキもないプロディースによってつくられてきたその完璧な“竹内まりやワールド”を、これまた完璧な演奏とアレンジで山下達郎バンドが次々と「再現」していく夢のようなステージ。
その見事な「再現」ぶりに、ワタシはかえって冒頭のようなやや突き放した“愚問”を抱いてしまったのだが…。

同様に完璧な「再現」を魅せる山下達郎氏のライブには、ライブならではのバンドの躍動感(グルーブ)があり、CDを超える達郎氏のヴォイス・パフォーマンスが堪能できる。そのクオリティの高いライブ・サウンドが、ワタシたちを高揚感で満たす。
そんなヤマタツ氏のステージを体感したばかりなので、つい今回のライブもそうした視点から比較してしまったのだが…。

この日のオープニング・アクトは、センチメンタル・シティ・ロマンスファースト・アルバム は、その浮遊感溢れるLAサウンドが素晴らしく愛聴したが、ワタシもライヴを観るのはおよそ30年ぶり。以来、ずっと活動を続けてきたベテランならではの安定感あるパフォーマンスだが、かつての軽やかさよりも、「めんたんぴん」を彷彿させる力強い演奏が際立った。

休憩を挟み、ステージには天上から布をなびかせたゴージャスなセットが現れて、いよいよまりや嬢の登場。そう、“嬢”と呼ぶのにふさわしい華やかな歌声を響かせての「家に帰ろう (マイ・スイート・ホーム) 」で幕開け。
大阪公演が残っているので、詳しいセットリストは記さないが、もちろん次々に繰り出される楽曲は耳馴染みあるものばかりで、さながら独りヒットパレードーの様相。

しかし、本人の伸びやかなアルトから紡ぎ出されるその名曲群から改めて伝わってくるのは、その“芯”の強さだ。
“女子会”ソングの代名詞「元気を出して」を始めとして、アイドルからはじまり主婦としてアーティストとして“自立”してきた、まばゆいばかりの竹内まりやの“強さ”をそこに見ることができる。

途中のMCでは、オーディエンスを年代別の拍手で調査。そこで改めて、彼女の音楽から多くの世代から愛されてきたことをワタシたちは知る。なにしろ10代から70代以上まで、拍手が途切れることがない。
そして、楽曲の説明と共に語られる“物語”に、その場の多くの“参加者”たちも自身の来し方を重ねたに違いない。

だから、まりや氏のコンサートは、至言すればじつは“ミーティング”なのだ。
夫君という最良のパートーナーを巻き込んで、素晴らしい楽曲群を生み出してきた稀代なアーティストと、彼女の音楽を愛してきたファンたちとの幸せな邂逅。
その素晴らしい音楽たちを、多くのファンやサポート・ミュージシャンたち共に愛で、慈しみ、祝福する、「祝いの会」なのだ。
そう思い至ったときに、ワタシの冒頭の“愚問”は、見事に氷解していた。

「なによりファンとみなさんと“会い”たかった」と、MCで力説するまりや氏。
きっと彼女にとっても、それは至福の時間であったことは間違いない。それは終盤、それまで完璧に近かった歌唱が、感極まって乱れたことで端的に顕れていた。
これまたライブならではの“共犯関係”ではあるまいか。

九段下駅から武道館への道すがら、「チケット譲ってください」の紙片・ボードを持った幾多の人たちを目にした。そうしたファンたちがうらやむ幸運を得て、この祝祭の会に参加できたことに、改めて感謝したい。

◆「竹内まりや Souvenir Again LIVE 2010」の参照レビュー一覧
www.さとなお.com
いつも一人ぼっち・・・ライブ日記

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