【お笑い】これが楽曲お笑い!「ボーイズもの大集合」 ― 2010/10/14

玉川カルテットが好きだった。浪曲をベースに民謡・歌謡・ノベルティ…さまざまな音楽要素をゴッた煮にして、個性あるメンバーが歌い、ギャグを連発する、あの楽しいパフォーマンスが忘れられない。そこにボーイズの笑いの神髄が詰まっていた。毎度繰り返される偉大なマンネリ・ギャグ「♪ 金もいらなきゃ女もいらぬ、あたしゃも少し背が欲しい」が、いったいどこで飛び出すのか、それもまたスリリングな楽しみだった。
というわけで、演劇評論家の花井伸夫氏がプロデュースする「爆笑寄席・てやん亭」の2010スペシャル「これが楽曲お笑い!『ボーイズもの大集合』」(10月13日世田谷パブリックシアター)に足を運ぶ。
この日は新旧5組のボーイズが出演したが、驚いたことは「今後、こうした面々が揃うことはないかも」という司会を担当した花井氏の解説。なにしろポーイズバラエティ協会に所属するポーイズはわずか5組で、うち3組が本日の出演組というのだから、ポーイズの衰退ぶりがわかるというもの。会場もいつものシアタートラム(200席)と違い、広いせたパブ(600席)ということもあって、1階席のみで6割程度の入りでは、やはり寂しい。
しかしながら、さすがに目利きの花井氏で、このワタシたちはボイーズの過去・現在・未来の芸をたっぷりと堪能することができた。
トップパッターは「中小企業楽団バラクーダ」。「バラクーダ」といえば「日本全国酒飲み音頭」の大ヒットが思い出されるが、さすがにそれも20年前のことなので、観客の反応は今ひとつ。それでもこの「酒飲み音頭」をはじめ、リーダー岡本らの美声を生かした手堅いステージで客席を温める。
二番手はWAHAHA本舗のメンバーでもある「ポカスカジャン」。スピーディーな展開と、演歌+アフリカ、津軽弁+ボサノヴァなどワールドミュージックの素養を生かした音楽性豊かなコミックなどで、この日最もモダンなステージを魅せてくれた3人組で、それぞれの個性と才気が光っていた。
「東京ボーイズ」は以前どこかの演芸場で観ているはずだが…、鉄板ネタの“なぞかけ小唄”や軽妙なかけあいで安心して観ていられる2人組。客からのリクエストに応えながらの“客いじり”もさすがの年季。
「テツandトモ」の熱演には、花井氏の「『なんでだろ~』でブレイクした後、落ちて、また伸びてきた」との評がピッタリ。ひと言で言えば、「芸の幅を拡げた」とういことか。ジャージをトレードマークにステージ狭しと動き回るテツの動きは健在だが、それに加えて風船パフォーマンスや練ったコントなど、観客を飽きさせない。その裏にある「努力」がかいま 見える充実のステージ。
そして、オーラスにあきれたぼういず・川田晴久に師事し、御年81歳になる灘康治率いる「モダンカンカン」。これはもう灘師匠がストラストキャスターモデル(トレモロアームまで付いている!)のエレキ・ギターを抱え、エフェクターを通してファズ・ギターを弾く姿だけでも、芸になっている。お年のメンバーが曲名やセリフを忘れてしまうのもご愛敬。そこに4人のメンバーがモダンな出で立ちで佇み、どこまで本気かどこまでシナリオがあるのかわらない、ゆる~いボケ&ツッコミをかましてくれるだけで、お金が取れる芸がそこにある。そのなかで、若きメンバー・川田恋の女性声は絶品。
…というかこれは全出演者に言えることだが、改めてみな歌は上手いし演奏もしっかりしている。それは長い芸歴だけでなく、人知れない練習の賜物であることは間違いない。
ポーイズが衰退した理由はさまざま考えられるが、若い感覚を取り入れた「ポカスカジャン」や、高い音楽性に裏付けられた「テツandトモ」の芸(トモの歌も絶品)など、けっして時代遅れではない、“ポーイズの未来”をワタシを感じた。
ようやく時代が「落語」に追いついたように、「ポーイズ」が再発見される日も近いないかもしれない…そんなことも感じさせられたこの日のイベントだった。
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というわけで、演劇評論家の花井伸夫氏がプロデュースする「爆笑寄席・てやん亭」の2010スペシャル「これが楽曲お笑い!『ボーイズもの大集合』」(10月13日世田谷パブリックシアター)に足を運ぶ。
この日は新旧5組のボーイズが出演したが、驚いたことは「今後、こうした面々が揃うことはないかも」という司会を担当した花井氏の解説。なにしろポーイズバラエティ協会に所属するポーイズはわずか5組で、うち3組が本日の出演組というのだから、ポーイズの衰退ぶりがわかるというもの。会場もいつものシアタートラム(200席)と違い、広いせたパブ(600席)ということもあって、1階席のみで6割程度の入りでは、やはり寂しい。
しかしながら、さすがに目利きの花井氏で、このワタシたちはボイーズの過去・現在・未来の芸をたっぷりと堪能することができた。
トップパッターは「中小企業楽団バラクーダ」。「バラクーダ」といえば「日本全国酒飲み音頭」の大ヒットが思い出されるが、さすがにそれも20年前のことなので、観客の反応は今ひとつ。それでもこの「酒飲み音頭」をはじめ、リーダー岡本らの美声を生かした手堅いステージで客席を温める。
二番手はWAHAHA本舗のメンバーでもある「ポカスカジャン」。スピーディーな展開と、演歌+アフリカ、津軽弁+ボサノヴァなどワールドミュージックの素養を生かした音楽性豊かなコミックなどで、この日最もモダンなステージを魅せてくれた3人組で、それぞれの個性と才気が光っていた。
「東京ボーイズ」は以前どこかの演芸場で観ているはずだが…、鉄板ネタの“なぞかけ小唄”や軽妙なかけあいで安心して観ていられる2人組。客からのリクエストに応えながらの“客いじり”もさすがの年季。
「テツandトモ」の熱演には、花井氏の「『なんでだろ~』でブレイクした後、落ちて、また伸びてきた」との評がピッタリ。ひと言で言えば、「芸の幅を拡げた」とういことか。ジャージをトレードマークにステージ狭しと動き回るテツの動きは健在だが、それに加えて風船パフォーマンスや練ったコントなど、観客を飽きさせない。その裏にある「努力」がかいま 見える充実のステージ。
そして、オーラスにあきれたぼういず・川田晴久に師事し、御年81歳になる灘康治率いる「モダンカンカン」。これはもう灘師匠がストラストキャスターモデル(トレモロアームまで付いている!)のエレキ・ギターを抱え、エフェクターを通してファズ・ギターを弾く姿だけでも、芸になっている。お年のメンバーが曲名やセリフを忘れてしまうのもご愛敬。そこに4人のメンバーがモダンな出で立ちで佇み、どこまで本気かどこまでシナリオがあるのかわらない、ゆる~いボケ&ツッコミをかましてくれるだけで、お金が取れる芸がそこにある。そのなかで、若きメンバー・川田恋の女性声は絶品。
…というかこれは全出演者に言えることだが、改めてみな歌は上手いし演奏もしっかりしている。それは長い芸歴だけでなく、人知れない練習の賜物であることは間違いない。
ポーイズが衰退した理由はさまざま考えられるが、若い感覚を取り入れた「ポカスカジャン」や、高い音楽性に裏付けられた「テツandトモ」の芸(トモの歌も絶品)など、けっして時代遅れではない、“ポーイズの未来”をワタシを感じた。
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