【CD】神聖かまってちゃん/つまんね/みんな死ね2011/01/10

つまんねつまんね
神聖かまってちゃん

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みんな死ねみんな死ね
神聖かまってちゃん

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話題騒然のロック・バンド「神聖かまってちゃん」が昨年末にリリースした2枚のアルバム『つまんね』『みんな死ね』を、立て続けに聴く。
前作の『友だちを殺してまで。』 は、試聴すれどもあまりピンとこず手が延びなかったが、この2作は…お~っ、面白い!

『つまんね』からのリードトラック③「美ちなる方へ」はFM局でヘビーローテーションされ、オリコンのデイリーアルバムランキングでは2作同時TOP10内にランクインされるなど、こんなヘンテコ(失礼)なバンドが“売れてる”という事実に驚くとともに、なんだか嬉しくなる…。


だって、パンキッシュなのにポップで、歌詞はシリアスなのにチャーミングでユーモア一杯という、楽しくてスゲぁバンドじゃん!…などと、思わず若者口調になってしまうほど痛快な音の輝きが、この2枚にたっぷり詰まっている。

幼稚園の同級生だという、の子(ボーカル、ギター)、mono(キーボード)、ちばぎん(ベース)に、メンバー募集で参加したみさこ(ドラム)を加えた4人組。その奇行ぶりも話題の、の子のいじめ体験から発せられる生と死に揺らぐ歌世界が、「非リア充」世代の代弁者などと称されているようだが、そんな能書きよりも、とにかくはち切れんばかりのサウンドが痛快。

2chやYou Tube、ニコ動といったネットを自在に活かした活動&プロモや、『つまんね』をメジャーから、『みんな死ね』がインディーズからというリリース・スタイルからして実にパンクでオルタナだ。そして、その2枚の売上がほとんど変わらないという現象も、またいかにも今日的。

一聴してこれはグラム・ロックか!と目眩を覚えそうな『つまんね』は、まるでガレージ・ロックハウスしたフィル・スペクター・サウンドかのような失踪感に溢れている。メロメロののこ子のヴォーカルは悩ましく、みさこの歌もキュートで魅力的。懐かしの「グリッター・ロック」なんてという言葉も思い出され、とにかくシュールなポップでたたみかける。

そして、『つまんね』が原由子を配したサザンオールスターズなら、『みんな死ね』はKUWATA BANDのようなパンクなの子の世界。ギターサウンドをバックに、歌いまくるの子だが、あらら、なんてキュートな歌声なの…とほだされる。
「どんぐりころころ」を歌い込んだ“絶望ソング”⑨「神様それではひどいなり」のノベルティぶりには大笑い。いや、ほかにも魅力的な楽曲満載で、バンドの充実ぶりが伺える2枚、シークレットトラック含む全25曲。

ラジオ出演時には、の子の奇行発言に戸惑っていたクリス・ペプラー氏が「ぶっ壊れた宮崎駿の世界」と絶賛したライブ。2月に予定されている「ももいろクローバー」とのジョイントが、今から楽しみだ。

◆『つまんね』『みんな死ね』の参考レビュー一覧(*タイトル文責は森口)
「合評 神聖かまってちゃん みんな死ね/つまんね」--ele-king(加藤綾一、野田 努、橋元優歩、水越真紀、三田 格各氏)
「『つまんね』と呟きながらも、心が揺さぶられる」--COOKIE SCENE(近藤真弥氏)
「テン年代のリアルを描いた傑作」--ListenJapan(青雪吉木氏)
「情報過多で希望を描けない時代にかまってちゃんが追いついた」--Crab talot
「いよいよもって、独自の世界観を展開してきた」--超進化アンチテーゼ
「ポップでありながら狂気に満ちている」--新しい世界へ・・・

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