最近読んだ本2010/03/07

『トギオ』(太朗想史郎著・宝島社)
『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。捨て子を拾ったことから村じゅうから「いじめ」られ、やがて故郷を捨て殺人者へ、という近未来でありながら土俗的なピカレスク小説…といったらいいのだろうか。説明を省いたこのゴツゴツとした文体は、まるで『血と骨』か『東京島』か(それ以上)。未熟さはあえて意図しているのか、筆に任せるまま書きなぐっているのか、たしかに引きつけられものはあるものの、やや読みにくさも…。

『東京アート散歩?』(散歩の達人MOOK・交通新聞社)
東京の町並みを「アート」という視点で歩こう、と編まれた、ありそうでなかった(?)本。話題のセントラルイースト東京や今やお洒落な街に生まれ変わった(?)神楽坂など、とっても便利な最新アート街カタログになっている。アートが人気が集めるヒミツは、やっぱり「進化」していることじゃないかなぁ…と思うのだ。

『世直しブックス 政権交代、さあ次は世襲政治家交代!』ほんの木編(ほんの木)
本書によれば、昨年8月に行なわれた衆議院選挙で102人の世襲議員が当選し、自民党で約47%、民主党で約13%を占めるという。さらに地方議員や首長を 親族に持つ国会議員では、自民党の世襲率は55%にも及ぶ。終戦後、特高警察幹部54人が国会議員になったというから、この悪慣例は戦後から綿々と続いて いるわけだ。
さらに本書では世襲問題とともに選挙区制度の問題に言及し、ジャーナリストの林克明氏によれば昨年の衆議院選の得票をすべて政党ごと の比例代表に反映させると、民主206(308)、自民129(119)、公明34(21)、共産34(9)、社民20(7)、国民新党8(3)[カッコ 内は実際の議席]になると指摘するなど、なかなか説得力がある内容。「世襲を法制度で制限すべき」などの具体的な提言も盛り込んでいる。

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