【CD】ビビアン・スー/ナチュラル・ビューティー2011/06/22

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ビビアン・スー The d.e.p

ファー・イースタン・トライブ・レコーズ 2011-03-16
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どうしてこうワタシはアジアの歌姫たちの歌声にほだされてしまうのだろう…。その語感なのか、たおやかな歌唱なのか、はたまたエキゾチジムに惑わされてなのか、うまく説明がつかないのだが、ときとしてその歌声に身も心もとろけそうになる。

そうして最近になってワタシが「発見」したディーバが、ビビアン・スーだ。
ワタシが知るビビアンは、台湾アイドルとして若くして日本に渡り、グラビアからお笑いまで果敢にこなし、「ブラック・ビスケッツ」とヘアヌードでブレイクした“”苦労人”(あるいは努力人)というイメージしかない。よって「ブラック・ビスケッツ」での歌声など、まったく耳にも止まらなかったのだが…。

しかしこの新作アルバム『ナチュラル・ビューティー』(2011年3月リリース)に、収録された「タイミング」を聴くと、なんとイイ曲だったのだろうかとわが耳を疑い、じつに新鮮にその楽曲が響く。スローナンバーに改変されたこのノベルティ・ソングが、ビビアンの魅惑の歌声によって、見事に美しいラブ・ソングに生れ変わっているのだ。

カバー曲の②「恋におちて」、③「長い間」も然り。改めてこれらの曲の良さに気づかせてくれるのもまたビビアンの歌声だ。亀田誠治プロデュースによるシングル曲「Beautiful Day」もまたビビアンの魅力を十分に伝えている。
いや、けっして巧いわけではない。とりたてて声に特長があるわけではない。しかしここが音楽のマジックで、そのとりたてて目立たない中に、どうにも説明しがたい魅力がある。癒しがある。そんな不思議な歌い手なのだ。

もっとも後半のジャンプ・ナンバーになると、その魔力も十分に発揮できず、ワタシなどは中抜きに編集した盤を愛聴しているのだが(苦笑)。

改めてWikiで確認してみると、ビビアンの母方は台湾少数民族のタイヤル族で、ビビアンのどこかアニミズム的な歌世界はそれから引き継がれているのかもしれない。もちろん妄想だ(笑)。

さらに驚いたのは、2001年に佐久間正英、土屋昌巳、ミック・カーン、屋敷豪太といったとんでもないメンバーと「The d.e.p」なるグループを結成していたことだ。もちろんヴォーカルはビビアンだ。このバンドがメチャかっこいい。↓



どういう経過でこのバンドが結成されたわからないが、おそらくこの強者どももビビアンの“歌”に、早くから注目していたからこそ、彼女をフロントに置いてのバンド結成に至ったのではないか。もっとも聴いておわかりのように、ここでのビビアンのヴォーカルは凡庸で、バックの凄さばかり目立つ…。

しかながら本作を耳にした今なら、もう一度このスーパーバンドが再結成(ミック・カーンは残念ながら参加できないが…)されて、ビビアンの歌声でこのバンド・サウンドを聴いてみたい!と強く想う。(*ミック・カーンの死去に伴いThe d.e.pは2010年に一度再結成されたようだ)

いつの日かフジロックに“アジアン・ステージ”が設けられ、台湾のメイデイ(五月天)、 ジェイ・チョウ(周杰倫)、中国のツァイ・ジェン(催建)、香港ノサンディ・ラム、マレーシアのシーラ・マジットらに混じって、ビビアン(The d.e.p)が歌い舞う…そんな夢想さか沸き起こるビビアンの快作だ。

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