【CD】河内音頭三音会オールスターズ/東京殴り込みライヴ 完全盤2011/06/15

東京殴り込みライヴ『完全盤』東京殴り込みライヴ『完全盤』
河内音頭三音会オールスターズ

歌舞音曲 2011-05-22
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これは歴史的な“名盤”の復刻だ。
1982年7月、関東で初めて行われた本格的な河内音頭ライヴの記録として、またその名演を見事にパッケージした音源として、30年の時を経てもまったく色褪せることがない。

当時、この河内音頭の“東京殴り込み”は、文字サルサのファニア・オールスターズ来日公演(1976)、喜納昌吉&ザ・チャンプルーズの東京上陸ライヴ(1977)と比して語られるほど、音楽通から熱狂的な歓迎を受けた。
つまり大阪の一地域(河内)で愛好されていたローカル・盆ダンスミュージックが、東京の音楽ファンから“ワールドミュージック”として「発見」された、その歴史的な瞬間をとらえたものなのだ。

河内音頭の魅力。
ワタシもその妖力に魅せられ、本盤が収録された錦糸町・銀星劇場(パチンコ屋の2Fだった)に居合わせた一人だが、とにかく演目は「赤城の子守歌」や「無法松の一生」といった無頼の伝承的な歌物語にもかかわらず(だからこそ、か)、緩急自在ともいえる音頭取り(ヴォーカル)と伴奏(三味線、ギター、太鼓、囃子)とのインタープレイの応酬とめくるめくグルーヴの底無し沼に熱く興奮したものだ。

なかでも、転がるように音頭にまとわりつく、エレキ・ギターには瞠目で、その奏法はまさに“発明”ともいえる画期的なものだった。
いわば、ドーナル・ラニーがギリシャやバルカン半島の民俗楽器であったブズーキをアイリッシュ・ミュージックに持ち込んだことで、それが異化反応を起こし世界的なブレイクしたように、この現代的なエレクトリック楽器が、河内音頭に現代に響く生命力を持ち込んだことは想像に難くない。

まさに河内音頭は、当時の東京者(モン)にとって、土着のエネルギーとモダンがスパークした最新型の音楽だった。

ここでは三音家浅王丸と三音家あきらという二人の音頭取りの熱唱が楽しめるが、やはり浅王丸師匠のそれは当代髄一。コブシ、唸り、語り、いずれも微妙な引き押し・強弱をつけたその音頭ワールドを堪能できる。

赤城の子守歌/三音家浅王丸


「完全盤」と謳うだけに、旧盤では削除されていた吉野夫二郎作詞・古賀政男作曲の「無法松の一生」の一節がそのまま生かされた(④「歌入り無法松の一生」)。ただし、新たに追加録音されたダブ仕様の「赤城の子守歌惰撫」は、本盤にはそぐわない気がする。

こうなれば、幻の“名カセット”『浅丸のいない夏』もぜひ復刻してほしいものだ。

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