最近読んだ本2010/03/23

『代替医療のトリック』(サイモン・シン&エツァート・エルンスト著・新潮社)
本書を読んで、かつて深夜番組でUFO(エイリアンクラフト)信者たちの言説をバッサバッサと切り捨ていた大槻教授を思い出した( ^ ^ ; 。つまり、世界じゅうに蔓延する代替医療を「治療効果」の面において、「科学的アプローチ」によって解明しようという試み、が本書というワケ。ネタバレになるが、そのほとんどを「プラセボ効果」と断じているわけだが、ワタシなどはプラセボ効果でいいじゃん!プラセボこそ自然治癒力!と思っているのだが、筆者たちは「そのために通常医療を遠ざけている」とプラセボ効果のための代替医療さえも否定的だ。さて、世の代替医療信者たちは本書にどのように反論するのか? 朝日新聞の書評では、広井良典サンが「有効性が厳密に検証されていない療法は通常医療だってある」と「表層的」だと批判していたけどね…。

『バターサンドの夜』(河合二湖著・講談社)
講談社児童文学新人賞受賞のデビュー作。コスプレ衣装に憧れ、自分の居場所をみつけようとする中学生とやはり自分の生き方を探る若い女性らとの交流を描いたホロ苦い青春小説。

『映画の見方がわかる本』(町山智浩著・洋泉社)
アメリカを辺境深部から観察・分析する視点で、近年とてもイイ仕事をしている著者による映画解説にしてアメリカ論。例えば、「難解だ」とされる『2001年宇宙の旅』は今までさまざまな解釈がされてきたが、キューブリック監督のインタビューや元の脚本など多種多様なデータを駆使して、「それは誤読だよん!」と「正しい見方」を伝えている。が、ワタシ的にはそうした「正しい見方」を通じて、アメリカの人種・民族問題、メディアの検閲などに言及した点に惹かれる。恥ずかしながら、「夫婦が同じベットで寝る描写さえ許されなかった」というハリウッド映画の「ヘイズ・コード」も本書で初めて知ったし!(\_\)

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