【映画】最近観た映画2010/01/22

『愛と宿命の泉 PartⅠ』(1986年・監督:クロード・ベリ)
フランスのプロヴァンス地方の農村を舞台に、泉をめぐり二代にわたって展開する愛憎劇の第一部(といっても二部は未見だが)。ありぁ、誰かと思ったら『Z』のイブ・モンタン(歌手でもあるが)が土地の権力者(悪人)を貫祿たっぷりに演じているじゃない(^_-)。 ジェラール・ドパルデューもさすがに上手い。風光明媚なプロバンスの自然に対照させて、人間のどす黒い強欲をくっきりと描きだす。

『紅の流れ星』(1967年・監督:桝田利雄)
これぞ日活アクション!日本B級プログラムピクチュアが堪能できる神戸を舞台にしたヤクザ映画。主演・ちょっとカワイイ渡哲也、まるで宇宙人(失礼)のような日本人離れした浅丘ルリ子。この二人が神戸の街をまっ白のスーツと真っ赤なワンピースで歩くだけで、ありえねぇ~とツッコミを入れたくなるエグさ。他に「エースのジョー」こと殺し屋・宍戸錠、平気でピストル撃っちゃう刑事・藤達也、情けないチンピラ・杉良太郎、そして歌って踊る奥村チヨ(!)という豪華さ!これはもう観るっきゃありません。

『歩いても 歩いても』(2007年・監督:是枝裕和)
兄の命日に集まった家族の一日を描いたホームドラマ。日本黄金期を彷彿させる丁寧なつくりで小津的との評もあるよーだが、本人は成瀬巳喜男を研究したとか。たしかにワンカットワンカット無駄がないつくりは、成瀬的であり、また優しさのなかに残酷さをしのばせた樹林サンの造形など小津的でもあるよネ。感心したのは登場人物すべて(子どもも含めて)に感情移入できる(ワタシは出来た!)ドラマに仕立てた手腕。これってありそうでなかった映画じゃない!? アドリブを極力排したという是枝台本の勝利といえようか。