【映画】赤い鳥逃げた?2011/09/14

赤い鳥逃げた?
『赤い鳥逃げた?』(1973年・監督:藤田敏八)

原田芳雄追悼特集として日本映画専門チャンネルで放映された本作をチェックしたが、じつに70年代日本映画な、じつに藤田ビンパチな、じつに原田芳雄な逸品。

鬱屈した日々を送るアラフィー(28歳)な原田芳雄と、その弟分・大門正明、その恋人で名家から家出してきた桃井かおりの3人が織りなす、破天荒でビターな青春物語。

チンピラ兄貴と小心者の弟分という関係性は、後の『傷だらけの天使』(1974年)の原形を思わせ、そこへ若くて魅力的なオンナが侵入して男たちの関係が揺らぐ様は『俺たちの旅』(1975年)を想起させて、さらには桃井かおりという特異なキャラクターと後半のロードムービー展開からはどうしても『幸福の黄色いハンカチ』(1977年)を思い起こしてしまう。

というように、もしやするとこのビンパチ・ワールドがその後の男男女ドラマに多大な影響を与えたやもしれないと妄想するが、もっともラストはボニー&クライドなので、本作自体もあの時代の(ニューが付いた)シネマ・ムーブメントからの影響は免れてはいないのだろう。

それにしても、若き原田芳雄のやさぐれ感は、まさに本作のテーマ・雰囲気(カラー)にピッタリで、地でいっていんだか何だがようわからんまま、まさに自然体で演じている(ように見える)。

それにも増して、終戦後30年にして廃墟だった東京の街並みはかくも変貌し、またこのようなセツナな若者たちを生んでいたことに感慨深い。改めてその急激な変容に驚くと同時に、3.11を経て本作から40年を経ていったいワタシたちの何が変わり、何が変わらなかったのか? という思いにも駆られてしまう…。

それはさておいても、冒頭に記したようにまさに70年代の空気を思いッきし吸い込んだこの日本版フィルム・ノワールは、原田芳雄の雄姿とともに後世に記憶されていい作品だと思う。
桃井かおりのまぶしい裸身も、ピコ(樋口康雄)のジャジーな音楽も、目に耳に残る。

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