最近観た映画2010/04/07

『母なる証明』(2009年・監督:ポン・ジュノ)
ゼロ年代のベストワンに輝いた『殺人の追憶』の天才!ポン・ジュノの最新作にして、人間の光と闇、深淵なる「業」を描いた傑作。恥ずかしながら映画館で「えっ!」と叫んでしまった意外な(?)展開と、これもポン印か、本作ではタルコフスキーばりに水(液体)にこだわり、観るものの身体に巻きつくようなねっとりとした演出を魅せる。次はどんな驚きをみせてくれるのか、早くも次作が楽しみ!( ^ ^ ;

『沈まぬ太陽』(2009年・監督:
製作・上映に際して日本航空(JAL)が相当の圧力をかけたとされる山崎豊子原作の航空会社を舞台とした人間ドラマ。なにしろケン・ワタナベ演じる主人公・元労組委員長(実在のモデルがいる)は海外に10年間も飛ばされ、ジャンボ墜落事故が主要なテーマとして映し出されるのだ。今や「沈む太陽」ともいえる日航にすれば、心中穏やかではないだろう。それにしても途中休憩を挟んで、3時間22分という本作の完成・公開にこぎつけた製作陣の執念を感じさせる力作となった。

『橋のない川・第二部』(1970年・監督:今井正)
水平社結成で終わった第1部の続編、というか本作は1~2部で1本の作品ととらえたほうがいいだろう。ワタシも知らなかったが、公開にあたっては評価・批判さまざまな議論があったようだ。そうした歴史性と過去の検証も含めて、こうして手軽にDVDで観ることができるようになったことは評価していいだろう。