【CD】Rumer(ルーマー)/シーズンズ・オブ・マイ・ソウル2011/04/19

シーズンズ・オブ・マイ・ソウル(初回限定バリュー・プライス盤)シーズンズ・オブ・マイ・ソウル(初回限定バリュー・プライス盤)
ルーマー

ワーナーミュージック・ジャパン 2011-03-09
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華やかで、穏やかな才気溢れるアルバムだ。
イギリスで話題の女性シンガー・ソング・ライターRumer(ルーマー)の新作が、この一カ月、揺れに揺れたこの世界を、この日本のワタシたちを癒してくれる…。

一聴して、70~80年代のポップ/シンガーソングライター黄金期を彷彿させる声とサウンドが、めくるめく思いとなって、ワタシたちの耳を心底をとらえて離さない。芳醇な音が万華鏡のように響き渡る。

1曲目の「アム・アイ・フォーギヴン」から彼女の才能を絶賛したというバート・バカラック・ワールドが全開し、スモール・サークル・オブ・フレンズカレン・カーペンターをも彷彿させる歌声が響く。優しげなフリューゲル・ホーンの響きはまさしくA&Mサウンドだ。
ヒット・チューン③「スロー」は、Sade(シャーデー)をさらにソフトにしたように、たゆたいながらその思いを歌い込む。④「テイク・ミー・アズ・アイ・アム」では透明感に溢れ、⑦「サンクフル」ではあのキャロル・キングの名盤『つづれおり』 をも想起させる。

「オン・マイ・ウェイ・ホーム」 はパキンスタン人の血が流れる彼女ならではの“異郷”の視線か、アイリッシュ~北欧の響きから、さらにあのロバート・ワイアットにも似た静寂の中の強さを感じさせる。
一転して、ブレッドを思わせるような⑪「グッバイ・ガール」、⑫「アルフィー」、⑬「君に想いを 」ではブリルビルディング的なアメリカン・ポップ・フレイバーをふり撒き、華やかにこのアルバムは幕を閉じる。

プロフィールを読むと、かなりドラマティックな人生を歩んできたようにその体験や人生観が、その詩世界は反映されているというが、英語に疎いワタシにはそこに言及する資格はない。

が、先に触れたSade(ナイジェリア人)やノラ・ジョーンズ(インド系)、そしてワタシが惹かれるジョヴァンカ(アフリカ系オランダ人)にして、どこかに異国人として覚めた視線をもち、それがひとつの魅力となっている気がする。

曲のよさ、耳に残る独特の歌声、そして緻密なサウンド・プロダクションと、いずれもその才能は一級品の輝きを感じさせる。しばらく愛聴盤となりそう。


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