最近読んだ本2010/05/15

音楽も映画も文学もマンガも、モダンカルチャーが成熟して100余年。デジタル技術の進化とともにあらゆるエンタメ・文化がアーカイブ化し、さまざまな世代・階層によって批評たりうる時代がやってきた、ことの証左ともいえる同時刊行の2冊。本書(共に)のウリともいえる「心に残る珠玉の10本」で、明らかにDVDで観ることの出来る作品を主眼に置いて選品している評者がいることでもそれがわかる。そして、もはや「外国映画」がアメリカ・ヨーロッパ映画ではなくなり、グローバルな視点で語らざるをえなくなっていることもまた。

『いちょう団地発!外国人の子どもたちの挑戦』
清水睦美著+すたんどばいみー編(岩波書店)
外国人と日本人の住民が手を携えた画期的な試みなのに、各人に語らせるという「民主的な」(?)編纂方法のために、せっかくのダイナミックな活動が見えにくくなった。同じ題材で、一人の視点から、ルポ的な物語をぜひ読みたい。