【アート】coppers早川展 ~METAL CELL~ ― 2011/07/22
このcoppers早川なる親子ユニット(早川篤史・克己氏)が、美術界でどのように位置し、評価されているのか皆目見当がつかないワタシだが、先日たまたま高島屋2Fフロアーに展示されていた作品に目を奪われ、改めて個展に足を運んだ次第。
その作品をひと言で表わせば、銅を作品素材とした不思議な生き物たちの世界…ということなるが、たしかにそのレトロ・フューチャー感溢れた作品群はじつに魅力的に見える。
ますむらひろし氏の宮沢賢治作品 から飛び出してきたような「Dream」「ジェームズ」」のようなメルヘンチックな動物たちから、「イノブタ」のようなユーモラスなロボット・アニマル、さらに「増殖」のようなサイボーグ/マシナリーなものまで多彩な作品が並ぶが、銅という素材がそうさせるのか、そのテイストは不思議と一貫性を保持している。
なかでも魅力を放っているのが、海をテーマとした生き物(乗物? )たちで、機械仕掛けの魚「械魚」、鯨を模した「Ocean」、ノーチラス号を想起させる「Goldfish」など、まばゆい幻視の海洋世界が広がる。
「METAL CELL」と称されたコーナーでは、さまざまなロボットや探査船、工作機などがの小作品が展示され、さながら海洋SFコミック『ナチュン』で描かれた深海ワールドを再現したかのよう。
“ラピュタ”を彷彿させる「ダブルバルーン」や、蒸気で空を飛ぶ船型の飛行船「スチームスチーム」などの作品からは、宮崎駿作品からの影響も感じられるが、プロフィールにも記されているように、最も近しいのは押井守作品だろう。
これらの作品を「独学」で、作り上げてきたというのだがら、いったいこの親子はどんな連中なのだろうか? 興味とともに謎は深まる…。
だが、何よりワタシの心をとらえたのは、像が鎧をまとったかのような戦士「南の森のオサ」(=掲載画像)や、メタル感溢れる「ザイ」のような重量作品群で、それらが10F会場と離れた2Fフロアにしか展示されていないのがなんとももどかしい。
客の呼び込みという意味で仕方ないのかもしれないが、この2つの展示が合わさればさらに強力な磁場が生れたのではないかと思うのに、それがやや残念。
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