【LIVE】ティンクティンク 2011東京ライブ ― 2011/02/01
彼女たちのファースト・アルバム (2001年)を聴いたとき、それまでの沖縄音楽にはない軽やかさに魅力を感じ、この新しい沖縄ポップを愛聴したことを思い出す。
伝統音楽に寄り添いながら、それに縛られない、吹っ切れたしなやかさ。そういう意味でティンクティンクは、ワタシにとっては津軽三味線の女性デュオ「あんみ通」と対を成す存在だ。
そのティンクティンクの生ライブを初めて観(聴い)た(2月1日・代官山晴れたら空に豆まいて)。
会場を埋めたファンの暖かい声援に迎えられて、沖縄の民族衣裳に身を包んだ二人が登場。ステージは一気に華やかに包まれたかと思うと、沖縄サウンドに彩られた“カラオケ”に乗せて、いきなり歌い始める。
沖縄音楽といえば漠然と、三線(サンシン)、締太鼓、三板(サンバ)らによる“生演奏”というイメージを持っていたワタシは、まずここで面くらう…。
おそらくこれらのバックトラックは、プロディーサーである照屋氏の手によるものだと思うが、全編“カラオケ”によるライブというのは予想していなかっただけに、意外だった。
もちろん彼女たちの明るく軽やかな歌声を聴くうちに、そうした違和感も薄らいではいったのだが、やや平板になりがちなステージ構成に、数曲でもいいからそうした“生音”を加えてもいいのではないかと思ったのが、正直な感想。
You Tube画像では、彼女ら自身による三線と三板による演奏シーンも観ることができるので、今回は東京ライブに合せた“特別仕様”なのだろうか?
活動の拠点とする沖縄「カラハーイ」でのライブDVD(2008年)でも、沖縄民謡が収録されているので、このオリジナル曲だけのカラオケ・ライブというのは、近年のティンクティンクの活動スタイルなのかもしれない。
このあたりワタシには判然としないが、沖縄アーティストにありがちな民謡レパートリーを一切演やらないというのもかえって潔(いさぎよ)いし、彼女たちなりのこだわりなのかもしれない…。
…とここまで書いて、ブログを確認したら昨日(1月30日)の居酒や「こだま」でのライブでは、どうやら“沖縄仕様”も取り入れた様子。
ということは、東京での2日間のライブ仕様に変化をもたせたということなのだろう。
いずれにせよ、あずさ(宮城 梓さん)の軽妙なMCもあって、この東京の洒落たライブハウスを一気にティンクティンク流の今風民謡酒場に変えてしまうのは、沖縄で連日さまざまな酔客(?)を相手にステージをこなす自信と経験あってのことか。
参加者全員参加のジャンケン大会でグッズ争奪戦を行ったり、コール&レスポンスにカチャーシー大会と、客の巻き込みも堂に入ったもの。
ところが、そうやってステージを引っ張るあずさが、この3月をもってティンクティンクを“卒業”するという。今後は残るまや(三浦 真弥さん)と新メンバーで活動することになるそうだ…。
そうした事情をファンも知ってか会場は大いに盛り上がり、アンコールも都合3回。ワタシ的にはティンクティンクの資質がもっともよく顕れていると思う軽快な「いいあんべぇ」が聴けたのも嬉しく、ラストの美しいハーモニーも、あずさの“卒業”を知ったあとだけにじつに胸に沁みるものだった。
ハモりではその艶のある声が隠れてしまいがちだった、まやのヴォーカル・ソロももう少し聴きたかったところ。新生ティンクティンクでは、そうした特長もうまく生かして、活動を続けていってほしい。
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