【LIVE】Marsh-Mallow(マーシュ・マーロウ) ― 2010/12/23
Marsh-Mallow(マーシュ・マーロウ)は、上野洋子、猪野陽子、落合さとこ、高田みち子、丸尾めぐみ各氏5名の女性ユニット。今年5月にセカンドアルバム『mingle-mangle marsh』 をリリースしているが、じつはそこでクレジットを見るまで、「上々颱風」のメンバー陽子サン(2006年加入)がこんな“課外活動”をしているとは知らなんだ。
それで、9月に行われたライブに行くつもりが、なんとチケット完売で、この日の初見となった次第。
チラシには、「珍しい楽器達を奏でユニークなコラースを響かせる、5人のおんな」とあるが、Marsh-Mallowの音楽をひとことで表せば、パーカッション+ポリフォニーコーラスの魅力、といったところか。
ステージには所狭しとさまざまな楽器が並べられているが、ピアノ、ギター、ベース、アコーディオンらはまだしも、マリンバや鉄琴(?)、そして見たこともないようなタイコ類や笛、擬音(?)奏でるものまで、さながら楽器工房の趣。
そこへ見目麗しき5人の“美女”が登場し、独特のコーラスを響かせる。いわゆる通常の、同時に異なる音を重ねてハーモニー(和声)を象(かたど)るスタイルではなく、いくつもの音(歌)を次々に歌い継ぎながら、同時に和声も協和させていくというユニークなもの。
一聴すると、打楽器を中心としたその簡素なサウンドと相まって、北欧のトラッド系音楽を思い浮かべる。
マリンバ、鉄琴伴奏によるオープニングの「雪が降っている」、続く流麗なハンドベルの「mutation」でクリスマス気分に徐々に引き込まれ、続く「真っ赤な平行線」ではアフロ風、6/8拍子(?)で彩られた「北へ」はフィンランドのヴァルテナを思わせ、「しずく」ではクラシカル風に、「雨が降っている」では明らかにピグミーのコラースを模すなど、多彩な多国籍サウンドを聴かせる。
このあたりで、カバー曲が聴きたいなと思っていた矢先に「X'mas メドレー」で賛美歌を、アンコールでジョン・レノンの「Happy X'mas 」を演ったのだが、これが意外に従来の西欧コーラスっぽくて、今イチMarsh-Mallowらしさが感じられなかった。
もう一つ意外だったのは、各種の音楽を採り入れているのに、“和モノ”がまったく聴かれず、三味線や和太鼓など和楽器伴奏によるMarsh-Mallowも聴いてみたかったな…というのがワタシの感想。
メンバーの経歴からもわかるように、みなそれぞれが長いキャリアを持ち、独自の活動をしている人ばかり。だからこそ、自身の活動にはないものを求めて、Marsh-Mallowを続けているのだと思う。全員が得意とする鍵盤楽器をあえて封印して、打楽器や弦楽器を基調にしたアンサンブルにこだわるのもそのせいかと思う。
その“女子会的”なノリは貴重であるとも思うが、なにかその「珍しい楽器達を奏でユニークなコラース」に縛られすぎて、やや窮屈な印象も受けた。
終盤にノイジーな「ドロケイごっこ」でわずかに弾けぶり垣間見せたが、例えば、先に挙げた和モノやエロクトロニカを導入するなど、もっともっと弾けた女子会パーティー芸も観てみたい気がする。
なにしろ芸達者で、ビジュアルも“華”のある人たちなのだから、音の方でも、もうひと“華”ほしい…というのが正直なところ。
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コメント
_ ムコ ― 2010/12/24 07:37
_ 森口秀志 ― 2010/12/24 19:19
そうですか。変拍子+ポリリズムの嵐ですか!
そーいうカゲキ(いつも)な(?)Marsh-Mallowもぜひ観(聴い)てみたいですね。
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その分メンバーそれぞれの歌声がいつもよりも堪能出来た気がします。いつもはもっと変拍子、ポリリズムの嵐ですよ!