若松若太夫独演会2010/06/05

ワタシが説教節若松若太夫の名を知ったのは、先代から。アルコール依存症から立ち直り録音した『石童丸』は愛聴したなァ。切々とした声が節が、グッと胸にくる名演だった。初代のCDも購入して聴いた。
そして、本日の演者は三代目・若太夫で、12回目の独演会だという。会場も板橋区立郷土芸能伝承館という趣ある建物、そして主催は説教節を保存・伝承する「若松会」。たしか代表の青木久子さんは、先代をアルコール禍から救い出したその人だったかと思う。そんなさまざまな人や思いに支えられてか、会場は年配の方を中心にゾロゾロと地域(?)の方々が集まってくる。
三代目の節は、(当たり前だが)先代の節を受け継いだ艶ある唸り。時として弱々しく聴こえるが、それも先代の持ち味だった。三味線にこんな多彩な弾き方があったかと思わせる、表情豊かな伴奏もイイ。(^_-)
日蓮上人の弟子の話「日朗上人佐渡の雪」でじっくりと、「日高川入相花王」で楽しくと、説教節の幅も魅せてくれた。まだ若いので、これからさらに期待できる三代目である。