監視カメラが忘れたアリア2010/02/12

鴻上尚史が主宰する「虚構の劇団」による「監視カメラが忘れたアリア」を観劇(2月11日・座・高円寺)
テーマは「監視社会」で舞台は近未来(いや、まさに現代か)。劇の冒頭、「観客のみなさんを会場内のカメラで録画しています」とアナウンスし、テーマに引き込む。ここはウマイ。で、ある大学のサークル広場に設置されたカメラを監視する「監視カメラを監視する会」の活動を軸に、この会の創設者で今は渋谷の街頭を監視カメラで監視する警察官と妻、サークル広場を利用する劇団などが多層に絡んでいくという流れ。
よく練った構成で、セリフも効いているし、若い役者もよく動く。映像の使い方も上手い。
きっと鴻上ドラマの真骨頂といったところなんだろうけど、かつて第三エロチカが『ニッポン・ウォーズ』で管理社会を痛烈に描いたことを知っている世代としては、ちょっと軽いノリが衝撃性を欠く…という印象も。